友だちのアドバイスをもとに構成を考える 〜パンフレット作りの学習から〜
北 川 雅 士

 『ようこそ、私たちの町へ』(光村6年)を学習した。この教材では自分たちの住む町のよいところを集め、パンフレットの形にして紹介するという学習活動を行った。5年生で『ゆるやかにつながるインターネット』の学習を行ったとき、言語活動としてリーフレットに自分のインターネットへの考えをまとめたが、ほとんどの児童が、教科書本文のまとめになってしまい、自分の考えや、構成の工夫が乏しいと感じた。このため、この学習では自分たちの伝えたいことを伝えるために必要な構成の工夫をどのように考えていくのかという点が大切だと感じた。

 そこで、下書きが完成した段階で、グループごとに下書きを交換してアドバイスを行うことにした。グループごとに別グループのパンフレットを読んで、アドバイスカードで交流を行った。その際、黒板にはアドバイスするポイントを示し、パンフレット全体の構成や、写真、見出しといった点に注目できるように支援した。

【児童のアドバイスカードより】
*内容をもっと詳しく書いた方がいいよ。
*見出しには色をつかった方が見やすいと思うよ。
*見出しはもっと大きくしたらどうですか?
*字の大きさがバラバラなのは読みにくいので大きさをそろえよう。
*何の写真か書いた方がいいです。
*漢字の上にふりがなを書いてみたらどうでしょう。
*写真を横に並べない方がいいと思う。
*空白が目立つところは写真や、字の大きさで直した方がいいと思う。
*ページの順番を入れ替えた方がいいのでは?
*内容と写真が合っていない気がします。

 交流のあと、アドバイスカードを見ながら、再度編集の話し合いを行った。各グループからは「なるほど」「気がつかなかった」という声がたくさん聞こえ、清書に向けて改めてパンフレットの構成を考えるよい機会となった。

 先日、各グループのパンフレットが完成し、できたものを交流した。どのグループも似たようなものではなく、多様なパンフレットになった。また、交流しながら「下書きとかわってる」「こっちの方が見やすいね」「アドバイス通りになおしてくれた」という声も聞こえてきた。また、できたパンフレットは、児童から「いいものができたから紹介している場所において見てもらいたい」という声が出るほどであった。今後も、子ども同士の学び合いが生まれるような学習を研究できるよう努めていきたい。
(彦根市立城南小)