巻頭言
地域に貢献し地域とともに歩む学校づくりをめざして
長 野 文 昭

 生馬小学校は、児童数1 0 6名、6学級編成の小さな学校である。

 伝統である『地域で育てる生馬っ子』のスロ ―ガン通り、学校に対する支援が盛んな地 域あり、地域の方々がゲストティーチャーとして、また、公民館の方々が様々な学校支援 活動を行ってくれている。それ故、本校では、子どもだちと地域に少しでも貢献する活動 を行おうと話し合って活動している。地域貢献活動としては、「花いっぱい活動」「生小 まつり」「校区運動会」など、地域の方々とのふれあい交流を大切にしている。

 その一つの「花いっぱい活動」の推進では、『子どもの笑顔と花いっぱいの学校づくり』のスロー ガンのもと、一年間に約二万本の苗を種から育てている。花苗が大き<育つと老人会や婦 人会の皆さんと植え替え作業を行い、その後、校庭の花壇に植えたり、プランターに植え たりして、お世話になっている地域、企業や公民館等に配布する。また、地域の方々や保 護者の方にも花苗をプレゼントする。この活動を通して、子どもたちの優しい心、命を大 切にする心、故郷を大切に思う心を育てることを目標にしている。子どもたちも、学校と 地域が花いっぱいになって皆さんに喜んでいただきたいと願って活動している。

 本年度は、二年間の町指定研究発表が十一月に予定されており、昨年度から吉永幸司先 生にご指導を受けている。研究主題の『思考力・表現力』の育成〜主体的に学び、伝え合 う活動を通して〜をいかに深め、児童たちの学力向上につなげるかに取り組んでいる。 具体的には、@聞き方の指導、A話し方の指導、B主体的に活動できる課題設定の工夫、C個人 思考の時間を大切にし、書く活動の重視(ノート指導も含めて)、D学習形態の工夫(集団 思考)、Eより深め合うための指導・助言の工夫の「授業づくりの視点」、六項目を研究して いる。

 今年度は、「読み聞かせ活動の充実」「書く活動の時間の特設」「全校集会での意見 発表jなども設定している。最初に紹介した花作りによる地域貢献活動や国語科を中心に 全教育活動を通して、児童の豊かな心を育てていきたいと思う。それが、吉永先生が指導 して下さっている『国語力は生活力』『国語力は人間力』になると確信し研究推進に取り 組もうと思う。そして、今年度も子どもたちと一緒に地域に貢献する学校づくりを目指し ていきたい。
(和歌山県上富田町立生馬小学校長)