読書習慣を育てる
三 上 昌 男

 子どもたちが健やかに成長していくためには、豊かな学びと共に、適切な運動、調和のとれた食事、十分な休養や睡眠が大切である。しかし、最近の子どもたちを見ると、「よく体を動かし、よく食べ、よく眠る」という成長期の子どもにとって当たり前で必要不可欠な生活習慣が乱れてきている。こうした今日の子どもの基本的生活習慣の乱れが、学習意欲や体力、気力の低下の要因の1つとして指摘されている。
 近江八幡市では、基本的な生活習慣の育成をめざし、「早寝・早起き・あさ(あいさつ)・し(食事)・ど(読書)・う(運動)」運動を展開している。
 子どもたちに望ましい学習習慣と生活習慣を身に付けるため、本校においては、学校と家庭・地域が連携しながら、指導を重ね、定着を図ろうと考えている。

 5月18日(月)から5月24日(日)までを「生活づくり強調週間」として、「はなまるカード」を活用しながら取り組んだ。保護者には、休日の過ごし方も含め、家庭での励ましと支援を依頼した。
 点検項目は、「□時□分までに起きる」「朝ごはんを食べる」「進んであいさつをする」「家での学習□分」「家での読書□分」「家での運動や外遊び」「□時□分までに寝る」の7つである。時刻・時間は、親と相談したり、自分で考えたりして決めることとした。
 望ましい学習習慣・生活習慣を育てる項目として、家での読書を重視したい。
 今回の取組では、子どもたちが設定した読書の時間は多様であり、10分に満たない子どもも多い。30分の設定をし、毎日クリアした子どももいる。5分の設定をし、一度もクリアできなかった子どももいる。振り返りで読書に関する記述例は次の通り。

*はなまるカードのおかげで、いっぱい本が読めました。これからも続けていきたいです。
*図書館で本を借りていたので、本がたくさん読めてとてもよかったです。
*読書は20分と決めたけど、40分した日もありました。
*家での読書があまりできなかったので、がんばりたいです。
*1日も家での読書ができなかったので、読むようにしたい。

 家での読書習慣が身に付くようにするためには、学校での指導の在り方が問われる。例えば、読みかけの本が手元にある学校生活を継続していれば、その本を持ち帰れば続きを読むことができる。
学校生活と家庭生活をつなぐ読書指導の工夫を大事にしていきたいものである。
(近江八幡市立八幡小)