4月は学びの準備をしっかりと
西 村 嘉 人

 平成27年度がスタートした。学級担任はできなかったが、初任者研修校内指導および校内研究を担当することになった。授業は6年生の理科を担当する。
 これまで、何度も校内研究主任を経験してきたが、4月は学校全体が慌ただしく動くため実際の動きはゴールデンウィーク開け、という状況であった。しかし、現任校は若い先生方が多いので、学級開きからゴールデンウィーク開けまでを空白の期間にするわけにはいかない、との思いがあった。
 そこで、研究主任という立場から「研究通信」を矢継ぎ早に出し、とりあえず「これだけはしっかりしていきましょう」というアイデアを提案した。

【第1号】子どもの身長にあった机、椅子の高さを調整し、きちんと座れる環境をつくる。返事のしかた、あいさつのしかたを教える。
【第2号】新しい教科書を、子どもに教える前に読んでおこう。「ことばの準備運動」さらっと流さず、ねらいを理解しよう。
【第3号】高宮小学校の授業スタンダードは今年も継承。「書く活動」で育てたいこと、音読の声を響かせること。
【第4号】机の配置は「コの字型」。学び合いを進めるための机配置。必要に応じた机配置を。
【第5号】「えんぴつの持ち方」教師の意識が大事。えんぴつを使う学習場面では「持ち方大丈夫?」「姿勢は大丈夫?」と声をかけ続けよう。

 ここまでを発信した。
 机や椅子の高さ調整は、意外と時間がかかるもの。後回しにすると時間がもったいなくなる。だからこそ、そんなに学習が進まない始めの1週間のうちにやってしまいましょう、というのが第1号の魂胆である。
 教科書改訂があり、新しい教科書に変わった今年度。今まで通りでは通じないことを知ってもらおうと提案したのが第2号。
 そして、授業をスタートする前に高宮小学校の授業スタイルを気にしてもらおうと提案したのが第3号、第4号。
 えんぴつを持って本格的な学習をスタートするタイミングを計って提案したのが第5号。
 それぞれに意図を持って出したのだが、いざ動き出してしまうと日々の授業のやりくりだけで精一杯となってしまうのが教師の性。未だに、足が宙に浮く椅子に不自然に腰掛け、それ故にえんぴつも正しく持てず姿勢を崩して学習を進める子どもたちである。
 4月にしかできないこと。今だから提案できるのだが……。
(彦根市立高宮小)