【特別寄稿】
教師を目指しています
吉 川 千 晶

 私には、大切にしている言葉があります。それは、「努力は自分を裏切らない」です。これを教えて下さったのは、小学校6年生の時の担任の先生です。

 この言葉を初めて聞いた時には、「努力」という言葉の意味が分かりませんでした。国語の辞典で探したのを覚えています。その時は勝手に「何でも、がんばれば良いんだ」と解釈をしました。そして、苦手だったマット運動の練習を繰り返しました。結局、最終目標の技を成功させることはできませんでしたが、先生はがんばった過程をほめてくれました。この経験が、今を作ってくれたといってもよいかもしれません。

 小学校を卒業した後も、ピンチの度に、この言葉を思い出し、目の前にある課題に取り組んできました。要領が悪く、何をしても人より時間がかかる人間でしたが、限られた時間を最大限に使用し、自分にできることをしました。望む結果が出るばかりではありません。必死になっても叶わないことはたくさんありました。「努力は自分を裏切らない」なんて綺麗事のような気がしたこともありました。しかし、望んだ結果が生まれない時でも、視点を変えて見ると自分の納得のいく結果がいつもどこかにありました。だから、教わってから9年たった今でも、この言葉を大切にできているのだと思います。

 今、大学で教育の勉強をすることができているのは、この言葉を信じて、前に進んできた結果であり、人の人生にこんなにも大きな影響を与えることができる教師に強い憧れに持ったからだと思います。小学校の記憶がどれほど薄れても、この言葉と先生のことを忘れることはありません。

 大学の3回生後期になり、進路の問題から目を逸らすことができなくなった今、努力の仕方が分からなくなった自分がいます。何からがんばれば良いのか、「努力」するとはどいういうことなのか。でも、この文章を書いているうちに、どこかからやる気が湧いてきました。私の一番の恩師に、胸を張って「先生のおかげで夢が叶いました。」と、報告することできるようにがんばることです。

 私の恩師は、人生の土台を築いてくれた人です。私は、そのような先生のように、子どもの未来を共に築ける教師を目指しています。

 現在、幼稚園教諭になることを目指し、毎週、学生ボランテイ アに行っています。そこでは様々な行事があり、嵐のように一日が過ぎていきます。その状況でも、一人一人をしっかり見ておられる先生の姿にたくさんのことを学んでいます。
(京都女子大学3回生)