詩を読もう
北 島 雅 晴

 「詩のひろば」という小冊子を学級の子ども達に配った。作品は全部で二十五編、川ア洋、阪田寛夫、金子みすゞなど、二年生に合った詩を選んだ。その他、過去の二年生の児童作品も載せた。国語の学習の始めにみんなで音読をしたり、朝の学習の時間に視写をしたり、いつも手元に置いている。
 その中の一編の詩を使って授業を行った。

   この ちきゅうには
 あんこくの ほそい りくちと
 みどりの うなばらしか
 ありません
 もっと たんけんしたいかたは
 ずばりと はんぶんに
 わってください
 まっかに もえる
 だいちが あらわれます
   (角野栄子作「なぞなぞあそびうた」より)

 詩がクイズになっている。この詩に題名をつける(何を表しているのか)という簡単な学習である。
 すぐに分かった子はいない。少しずつヒントを出していく。
T 地球ってどんな形をしていますか。
C まるい。
C ボールの形。
 「ボールのようなまるい形」と板書をする。
 このように、言葉の一つひとつにヒントがあるので、ていねいに見ていく。
○あんこく=黒 黒と緑色のもの
○わる・まっか=中が赤い
 ここまでくると、「分かった」という子が出てくる。たとえ答えが分かっても言わないという約束だったので、うれしそうな顔で私の所へ答えを言いに来る。内緒で、私に伝える。
C すいか。 →T 正解。
C ドーナツ。 →T 残念。
 しだいに正解者が増えてくると、まだ分からない子にとってあせりが出てくる。この「詩のひろば」には、このような詩を五遍載せている。
C 先生、この詩の答え分かったよ。
と喜んで伝えに来る子もいる。

 詩は、いろいろな学習活動につながる。音読や朗読、それらを発展させて暗誦会をする。すきな詩を視写する。児童詩を読んで、自分の詩づくりに活かす。生活の身近なところに詩があると豊かさを感じることができる。今後に向けて、詩・俳句・短歌への関心を高めることにもつながる。
 この一年間は、「詩のひろば」を核として、少しでも詩に関心をもってくれること、すきな詩が見つけられること、詩をつくることが楽しいと言ってくれることをめざして取り組んできた。二十五編の詩のうち、すべてを視写し終わった子も出てきた。暗誦できる詩が、少しずつ増えてきた。詩をつくることへの抵抗もなくなってきた。
 三学期は、すきな詩の暗誦会と詩集づくりに取り組もうと考えている。
(草津市立志津小)