【特別寄稿】
教師を目指しています
安 井 梨 紗

 子どもたちに対していつも全力で向かえ合える教師になりたいと思っています。私が、教師になりたいと強い気持ちをもったのは小学校6年生の時の担任の先生です。
 先生は、年中、ジャージを着ておられたのが印象に残っています。私は、先生に対する強い思い出が2つあります。

 1つは、子どもに対する真剣な姿勢です。先生は、休み時間も放課後もいつも、子どものことを見ておられると思うことがたくさんありました。クラスには、先生の手に負えないと思える子がいました。文字通り、その子を追いかけて、何が正しくて、何が間違いであるのかをその都度、丁寧に教えておられました。どうして、その子が先生に追いかけられるほど大変なことをしたのかということについては覚えていません。しかし、その子と真剣に向かい合っておられた姿は、今でも思い出します。

 2つ目はノート作りです。先生は授業中、ノートをまとめたり、ノートに考えを書かせたりすることに熱心な人でした。今も覚えているのは、自分のキャラクターを作り、そこに吹きだしをつけるのです。その吹き出しの中に自分の考えを書くのです。毎時間、自分の考えを書くのです。先生は、いつも自分らしいノートになるのがいいのだというのが口癖でした。ノート作りは、大学生の今もとても役だっています。
 ノート作りについては今まで教えて下さった先生はたくさんありました。しかし、先生のノート作りのことを特にお覚え手いるのは、三者懇談の時のことです。
 三者懇談の時、先生はそのノートを親に見せるのです。そして、「このノートのよいところは上手にまとめていることです。」
「このノートの、ここをを見て下さい。授業中に真剣にまとめたところです。」
「このノートには、自分の意見をしっかり書いています。」
と、親に説明しながら私をほめてくれるのです。

 6年生にもなると授業のノートを親が見ることはほとんどありません。もちろん、親に見せることもなかったので、懇談会で親がノートの見ることで、授業でがんばっていることを知ってもらえる機会でした。学校における生活や勉強の内容を親がしるだけでなく、先生はわたしのことをこのように見て下さっているということがわかりました。私は、先生にしっかり見てもらっているという嬉しさや安心感がありました。
 このことは、どの先生もされていたことかもしれないけれど、私にとっては、うれしい思い出であり、教師になったら是非、このようなことをしたいと思っていることの中の1つです。

 教師が言葉で子どもに何かを伝えることは大切だと思います。言葉で伝えないと分からないこともたくさんあります。しかし、先生は、いつも生徒に、「してはいけません」「しなさい」という言葉で子どもに何かをさせようとします。言葉も大事ですが、行動にうつせるということがもっと大切だと思うようになったのも小学校で習った先生か学んだことです。
 特別に指導をする子にも向き合える先生、授業の小さなことでもしっかり見ることが大切だと思っています。私は先生を目指しています。しっかりと子どもに向き合える先生になれるよう勉強をしています。
(京都女子大学3回生)