吉永先生国語教室秋期京都講座に参加して
海 東 貴 利

 「国語指導力向上をめざして」をテーマに、国語力の育成と授業づくり、書くことで育てる学習力、教材を活用した授業づくりのアイデアなど、明日の授業にすぐに役立つ具体的な国語の基礎基本を学ぶ実践講座(小学館主催)が、去る11月22日に、京都教育文化センターで開催された。講師は、吉永幸司先生。この講座で学んだことの中から、とくに印象深かった内容を挙げてみた。

◆感心したら「ほぉーっ、なるほど」と言わせる
 聞き手は、友だちの発言を聞き、感心したら「ほぉーっ、なるほど」と答えるというルール。1週間程度続けたら、やめることがポイント。1つのパフォーマンスのような取組ではあるが、やめた後でも、クラスの中に数人、ときどき「ほぉーっ、なるほど」とつぶやく子が出てくる。そうやってつぶやくことができる子は、相手の話に耳を傾けることができる子、つまり、相手の話を最後まで聞く力が身についているといえるのではないかということ。何より、どんな発言であったとしても、子どもなら「ほぉーっ、なるほど」と言われればうれしいだろう。自分が担任するクラスでも、ぜひ実践してみたい取組である。

◆41人目の○○くん
 日々の授業で悩んでいたことの一つは、導入の仕方である。導入をいかに短くするか、そして、効果的にするにはどうすればよいかといつも考えている。また、授業の終末の振り返りも何か手立てはないか悩むことがある。学習の振り返り(感想)を豊かな語彙で書かせるにはどうすればよいだろうかと。
 本講座で、「きのうは、どんな学習をしましたか。」という指導者の問いかけよりも、もっと効果的な導入があることを教えていただいた。それは、前時の学習感想をクラスの中から数名分選び、指導者が読み上げ、これまでの学習の振り返りを想起させるというもの。自分たちが書いた感想を発表されることで、子どもたちの学習の意欲が高まると思う。
 そして、「41人目の○○くん」は、導入時などの前時に書いた学習感想を紹介する場面に、時々、匿名で登場する。○○くんが書いた文章は、授業の流れや方向性を確認する内容が書けていたり、自己評価や感想の模範となる書き方だったりする。つまり、子どもたちにとっては学習のモデルの1つである。○○くんは実は先生なのだが、子どもたちからすれば、「ほぉーっ、なるほど」と言える豊かな語彙で書かれた学習のモデルである。

◆教科書やノートの記名は親がする
 これは、以前、研究会で吉永先生に教えていただいたお話でもある。新しい教科書やノートには、親が丁寧に名前を書いてあげるということ。子の学習状況に関心を持ってもらう方法として、また、子どもたちが教科書やノートを大切に扱うきっかけの一つとして大事なことである。親が2冊目のノートに記名するときは、1冊目のノートから子どもの学習成果を知ってもらうこともできる。子どもは、その名前を見るたびに親が自分の名前を丁寧に書いている姿を思い出し、教科書やノートを大事にする。これは、どの学年であっても実践できることと思った。
(高島市立マキノ南小)