大造じいさんとガンの学習から
北 川 雅 士
10月に入り、「大造じいさんとガン」の学習がはじまった。学級の子ども達のほとんどが、大造じいさんとガンを初めて読むということで、音読をし、物語の設定や、大造じいさんがどのような人物なのかを確認し、朗読会に向けて大造じいさんの残雪に対する気持ちの変化に注目しながら物語を学習し始めた。 1の場面、大造じいさんがうなぎつりばりの作戦を考えるも、見破られ、残雪の行動に感嘆の声をもらす場面を学習した時のこと、ワークシートを見ていると、 「あんなにとれるとわくわくしていたのに、沼地にいくと、うまくえさがとられていたので感心して感嘆の声をもらしたと思う。」 「ガンはあまりりこうなほうではないのに、えさを安全に食べられる方法が分かったのはすごいと感じたから。」 といった、大造じいさんが「ううむ。」という感嘆の声をもらした理由を書いてはいるものの、「続けていればまたガンはとれそう。」「残雪の行動の何がすごいの?」という思いをもっている児童もいた。そこで次の「タニシ作戦」では、大造じいさんの作戦や、残雪の行動の何にうなったのかを叙述にそって学習しようと考えた。 T ぬま地のうちでも見通しのきく場所をえさ場に選んでいるのはなぜだろう。 C 見張りができるから。 C 敵に気付くようにしている。 C 大造じいさんを警戒している。 T タニシを5俵ってどのくらいの量かな。 C え〜、わからない。 T 1俵が約60kgらしいです。 C 300kgくらい? C タニシだらけやん。 T たまのとどくきょりってわかりますか。 C わかるわけないやん。 T 調べてみたら猟銃は50m〜100mくらいらしいです。 C 残雪はわかってたのかもしれない。 C そんなわけないやろ。 C でも、もう少しでたまのとどくきょりで方向を変えたって書いてある。 こんなやりとりをしながら、タニシ作戦を読んでいった。すると「うなぎつりばり作戦」にくらべて、大造じいさんと残雪のやりとりに注目した児童が増えた。「続けていればまたガンはとれそう。」と話していた児童も、「残雪は少しでも変化があると気付くことに大造じいさんはうなっている。」と書いていた。 朗読会に向けて進めていた学習でありながら、文章表現の読み取りや、言葉の意味をきちんととらえることができるような学習が進められていなかったことを児童のつぶやきによって気付かされた学習になった。 (彦根市立城南小)
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