▼ユニバーサルデザイン(Universal Design,UD)とは、文化・言語・国籍の違い、老若男女といった差異、障害・能力の如何を問わずに利用することができる施設・製品・情報の設計(デザイン)をいう。国語科教育においては、発達障害のある子も含めて、全員の子どもが、楽しく「わかる・できる」国語授業をつくるには、まず「焦点化・視覚化・共有化」の観点から「指導の工夫」をし、活動が停滞する子には「個別の配慮」が必要になる。(授業のユニバーサルデザイン研究会)

▼山田定子さんは国語教育に豊富な実践をなさって方である。毎年、30センチ物差しで計れる位のノートを書かせられる。学習を進んでする子だけはない。支援を必要とする子にも同じように学習の成果としてノートを残させられる。学習内容は焦点化され、指導に工夫が見られる。

▼物語「世界一やかましい音」(東書)は最初に、「すきなところ・気に入ったところ不思議に思ったところ・他に思ったところ」等、感想を書かせるための誘いが多様である。また、あらすじを書かせるために、文章の仕組みを「設定・展開・山場・結末」の理解を確かにする指導も丁寧に行っているのが山田実践の特徴である。ユニバーサルデザイン研究が地道な実践から理論化されていくとうれしい。(吉永幸司)