学級通信がかわる
廣 瀬 久 忠

 4月がスタートした。
 始業式に向けて、各学級担任が週予定をプリントして渡す。
 第1号は火曜はじまりの4日分の予定が記され、担任の紹介や進級に際しての願いや意気込みが書かれている。通信のタイトルもさまざまで学級集団のめざす方向性が示唆されている。
 通信に目を通し、担任たちを激励するお返事を付箋に記す。学級づくりを担任の得意なやり方で一本通してほしいと願っていて、学級通信で集団づくりをする方法のよさを伝えたいと考え続けてきた。  昨年度もこの「お返事の付箋」を続けてきて、担任たちのがんばりを賞賛し、応援し、労をねぎらい時には、無理をするなといさめ、「お返事の付箋」に書ききれない思いを放課後の職員室で直接伝えてきた。

 週予定に加えて、学級の学習の様子や楽しい学級の様子を写真と小文のコラムで綴る紙幅を賞賛し続けてきた。何か自分もこの子どもたちの輝きを共有させてもらっている感覚となっていた。  もっと保護者に、もっと家族に学校での子どもの輝きぶりを伝えるいい方法はないかと知恵を絞り、「こうしたらどう」「具体例を示したらどう」「写真を明るくしたらどう」「子どもの自然な笑顔の活写を撮ろうよ」と声をかける。

 この話をさざなみの例会で話したところ吉永幸司先生から、
「先生は、みなさんの通信に目を通しているけれど、担任たちは 相互にその通信の内容を共有しているのか。情報が行き交うといい」と、ご指導いただいた。  確かにそうである。
 そこで、意図的にA先生の通信のコラムがよかった。B先生のコラムはさすがベテランのいぶし銀のような専門職としての教師からの示唆に富んでいる。C先生の写真のレイアウトと子どもの表情が素敵だ。と教頭通信や「お返事の付箋」で情報の行き交いに努めた。

 第2号の発行に向けて4月16日の水曜日あたりから私のもとに出された通信を見て驚いた。年度がかわり、新しいクラスの担任になったことを機に学級通信の体裁を変えられた先生が激増した。
 これまで写真を多用し、学級の様子を上手に伝えてきた先生は学級開きからの黄金の3日間の様子を活写し、さらに楽しい紙面構成になっていた。
 これまで、週計画と連絡事項で構成されていた通信を出していた先生の紙面がひろがり、子どもの写真とつぶやきが吹き出しで紙面構成されていたり、コラージュのような構成がされていたりと学校生活の楽しさと子どもの輝きがビンビン伝わる通信になっていた。

 家庭で通信を見た保護者は、写真の魅力に惹かれ、その様子を子どもに尋ねられるだろう。子どももその楽しさや苦労した様子を興奮気味に言葉を重ねるだろう。
 学校での子どもの楽しさとどきどき・きらめき・ときめきがお茶の間の家族にもひろがる。
(湖南市立菩提寺小)