説明文の音読 (4) 「ゆるやかにつながるインターネット」5年
吉 永 幸 司

1 全体と部分を比べて読む
@第8・9段落を音読する。
A音読しながら自問自答し、理解できることを具体的に意味づける。
○自問自答を促す視点
 今までは、インターネットの良い点でした。8段落は良い点でしょうか。それとも、違うでしょうか。(「しかし」から始まる段落を予想させる)
 「コミュニケーションのむずかしさ」の前に「その一つ」と書いています。そうすると、次にどのような言葉を探せばいいのでしょうか。(「もう一つ」を探させる)
 8段落と9段落を読んで、難しさや危うさにつながる文や言葉を見つけましょう。(よく知っている相手でも、目の前にいてさえも、そういう行きちがいがあるのです。…「そういう」の意味を具体的に説明できるように促し、自問自答させる。「顔を合わせないですむ気楽さ、いつでもつながりを切ることができるという安易さから、つい無責任になりがちだということです」の文章における「安易さ」と「無責任」について自問自答させる)
B全体と部分を比べて、第8・9段落の役割を意識して音読をさせる。

2 筆者の意図を理解した音読をする
 第10段落を筆者の意図をまとめながら音読をする。
○インターネットという新しい道具を手に入れたことで、人とつながる機会は、劇的にふえました。 (「劇的」を解説して、言葉に慣れさせる)
○そんな今こそ、「強い」も「ゆるやか」も含めて、人とつながるとはどういうことなのかを、ぜひ考えたいと思います。
 2つの文をもとに全体を読み返し、筆者の意図を確かにする。

3 音読を通して文章の内容を正しく理解をする
 音読は、文章を正しく読む力を育てる。それは、何を述べようとしているかということに関心が向くからである。関心を向かせるには次の指導が必要である。
@文章の仕組みを全体として理解をさせる。
A段落と段落のつながりを表す言葉の役割を理解させる。
A似た言葉、比べる言葉、文末など細部に気をつけ、表現の意図を考えながら音読をさせる。
C筆者の意図を理解しながら音読をする。
 音読で大事なことは、身近な例に置きかえて読ませるようにすることである。(音読で内容の大体を理解させ、次に、「学習の手引き」をさせる)
(京都女子大学)