▼2年生の日記(親子日記)。「おじいちゃんが京都にきました。この前あったのは8月の夏休みでした。そのとき、おじいちゃんに、11月に会うときまでにしょうぎをおぼえておいてねとやくそくしました。1つのこまのうごきしかおぼえてませんでした。しょうぎはおぼえていないけれど、ぼくはおじいちゃんがすきです。」

▼今度会うときは将棋の動かし方を覚えておくというおじいちゃんとの約束。しかし、おじいさんは覚えていなかったという意味の日記。将棋を覚え、おじちゃんと対戦したいという気持を持ち続けていたであろう。しかし、その不満は書かないで「すき」と結んでいるところに優しさが伝わってくる。

▼この日記の裏側にお母さんのコメントがぎっしりと書かれていた。将棋に凝り始めた息子は祖父と対戦したがっていたこと。ゲームの話題が多いけれど、将棋のほうが面白いことなど。更に、祖父の滞在中、サッカーや陸上のテレビ観戦、それに、プロ野球などを一緒にして、すっかり、祖父を野球好きにしたことなど。日記の背景を知るに十分なコメントであった。

▼子どもの文章をまるごと理解をすることはむずかしい。私の場合は、子どもに一番近い距離にいる母親に応援を依頼することが多かった。親子日記はおすすめの方法である。(吉永幸司)