条件をつけて 〜クラスみんなしりとり〜
高 野 靖 人

 拠点校指導員として初任者の学級で行った国語の示範授業「クラスみんなしりとり」を紹介する。
 本年度の初任者は、2年・3年・4年・5年と全て異なった学年を担任している。低学年から高学年まで、それぞれの学年に応じた「ことばの学習」ができるように配慮したつもりだが。
 展開は、次の通りである。

(1) 様々なしりとりを、パワーポイントで紹介する(なんでも、カタカナ、2文字、3文字、漢字1、漢字2、連想、動物、学校にあるもの)。それぞれ条件に合った4文字が順番に例示されるようにアニメーションをつけている。漢字1は、普通のしりとりだが、1文字以上漢字が含まれているしりとり。漢字2は、漢字のみのしりとり(学校−校門−門番など)。
(2) 方法もプレゼンで説明した後、用紙を配布。
(3) 用紙に名前を書いた後、各自が決めるのは次の2つ。まず、しりとりの条件を決める。プレゼンで紹介したもの以外、自分の考えた条件でもよい。そして、それに合った最初の言葉と自分の名前を書く。(例えば、「3文字しりとり」という条件で「たいこ」と書く)
(4) ここまで書けたら、用紙を隣へ回す。順序は、一方通行で、事前に決めておく。
(5) 用紙が回ってきたら、条件を読み、それに合うように、次の言葉と自分の名前を書いて、隣へ回す。思いつかない場合、パスをして、そのまま回すことも可である。
(6) 授業終了10分前まで、こうして、にぎやかに、しりとり作りが続く。基本的に辞書は用いないが、周りの友達と少々相談するのは可。教師も頼まれれば助け船を出す。
(7) 制限時間で、前に提出。条件別に整理し、各条件で一番多くつなげられた作品を紹介する。表裏で、34個書ける用紙を用いているが、5年生の学級では、2枚目を用い、最高43個つなげられた(なんでもしりとり)。

 この作品紹介も盛り上がるが、自分のしりとりがどうなったのか、気にしている子どもも多い。授業終了後、黒板前に群がって、自分の用紙を探す姿が印象的だ。
 なお、4学級すべてで、一番多かったのは、「なんでもしりとり」だった。いわゆる、普通のしりとりである。
 学年の差が大きいのは、漢字しりとりだ。2年生はだれも条件にあげなかったが、5年生では5人で、漢字2でも20個続いている。 プレゼンで紹介した以外の条件として子どもが考えたものを紹介しておく。「ポケモン」「サッカー」「生き物」「水の生き物」「家具」「食べ物・飲み物」「曲、歌手」。学級のみんなが協力して、条件に合わせつなげていくところに、この学習のよさがある。
(大津市立仰木の里東小)