大事な言葉を選んで小見出しをつける
海 東 貴 利

 「かるた」(光村3年下)という説明文教材を使って、「小見出し」について学習することをねらいに取組んだ。授業の全体を計画する際、次の2つの点を指導の重点とすることにした。1つ目は、段落の構成を確認し、本文の内容を理解させること。2つ目は、大事な言葉や文をまとめたり、言い換えたりして小見出しをつけ、内容を端的に表す力をつけること。授業では、小見出しのつけ方が例示されている学習の手引きを参考にしながら進めた。
 小見出しとは、文章をまとまりごとに分け、内容のまとまりごとにつける題のことである。題を考えることは、これまで物語や日記を書く学習の中でもしてきたことであり、独創的に考えられる子もいた。したがって、この学習は、比較的難なくできるのではないかと考えていた。しかし、予想した子どもの反応ではなかった。課題となったことは、次の2つ。

大事な言葉や文に線を引くこと
 初めに、学習の手引きにある小見出しの意味を確認した。つぎに、教師が第1段落を範読し、それを聞きながら大事な言葉や文に線を引かせた。
 しかし、線が引けない児童が数名いた。この児童に対しては、この段落はかるたの何について書かれているのか、それがわかる言葉をさがすように助言した。
 線を引いた言葉や文を各自ノートに書き出し、発表させた。児童から出てきた言葉は、「かるた・いろはかるた・百人一首…」など文中のキーワードになる言葉。また、「およそ四百年前、外国から日本に、カードを使う遊びが伝わってきました」などのキーセンテンスも出た。

大事な言葉や文から小見出しをつけること
 そのあと、小見出しをつける方法を提示し、ノートに書き出した言葉や文から小見出しを考えさせた。ノートに自分の考えを書く時間をとったが、なかなか書けない子がいた。また、「かるた」という一語で表した児童が複数いた。大事な言葉をつなげたり、大事な文を短くして表したりすることができていなかった。
 段落の内容を短い言葉で表すためには、一番大事な言葉や中心になる文に注意する必要があるが、「一番」や「中心」を話し合いの中で精選していくべきだった。第2段落からの小見出しを付ける学習では、この「一番」や「中心」にこだわって大事な言葉や文を見つけることにした。さらに、なぜ一番にしたのか理由を考えさせた。本文の内容をより深く吟味することをねらってである。
(高島市立マキノ南小)