説明文の音読 (1) 「ゆるやかにつながるインターネット」5年
吉永 幸司

1、説明文の音読について
 説明文の音読は、文と文のつながりや意味を考えながら読むことに価値がある。この文は前の文を受けている、これはキーワードである、と自問自答しながら読む習慣を育てるための音読として指導をするという方法も考えられる。例えば、教材「ゆるやかにつながるインターネット」(光村5年)では次のような音読の仕方がある。

2、段落のキーワードを見つけながら読む
 第1段落の文章は次の通りである。
@あなたに、十人の仲のよい友達がいるとします。
Aその十人の友達にも、それそれ十人の友達がいて、さらにその十人の友達にも、それぞれ十人の友達がいるとします。
Bそれらをたどると、十人の十倍のまた十倍、千人になります。
C仲のよい友達の先に、千人もの人がいると考えると、わくわくしますね。
Dインターネットを使うと、このすべての人たちと、直接やり取りすることが可能になります。

   @ABの文は、友達の増え方を述べています。「あなた」を「わたし」と置き換えて読むと、具体的になり身近になる。千人は数の多さというように理解をすればよい数である。読んでいくと、@ABは「友達」と表現しながら、Cは千人もの「人」と切り替えていることに気づかせると音読の効果が出てくる。心情的には「わくわくします」という文に共感するようになる。
 更に、Dは題名の「インターネット」「すべての人」「直接やりとり」をつなぐと、第1段落の概要が理解できる。

3、課題を意識して音読させる
 説明文の読みは自力で読ませることが興味関心を高める。何が書いてあるかという内容に対する興味が強いからである。
 第1段落の音読は、一般的なものでは次のような問いがある。
 ○何が書いていましたか。
 ○大事な言葉は何ですか。
 ○要約しましょう。
 この問いは第2段落から後に繰り返し出てくるので、その耕しを行うのが第1段落の役割と考えてみたい。
 ◎第1段落を読ませる。
 ◎読み終えた時に思ったことを言 葉に置き換えさせる。
 置き換えた時の発言の中で「大事なこと」「そうだなと思ったこと」「言いたいことは」など、子どもの言葉を取り上げて発問に織り込み、課題にしたり助言をしながら、読み方の基礎づくりがを第1段落である。
(京都女子大学)