校内研究授業に学ぶ子どもの自立
杉 澤 周 一
本校の校内研究のテーマは「子どもの自立を育む授業づくり生活づくり仲間づくり」である。研究授業の教科は自由である。研究会で話題にしたことを並べてみる。どの教科にも通じると思われる。自立とは一人で○○できること。○○には、学力的なこと、生涯的に学ぶこと、人間関係、自己管理、自己実現など生きる力が入る。 ◆過保護 ワークシートは、本来は子どもが書く余白が多い方が良い。説明しすぎお膳立てしすぎの単元構成、授業展開、教材等に留意。個々を育てる意図的な設定を。親切す過ぎて育つチャンスを奪わないように。 ◆個々が育つ機会の保障 45分の中で、必ず個別の活動を設ける。ひたすら読む、書く。じっくり考える。また、つけるべき力に関わり、個々の活動を継続する。個々に一斉で読んだ後、同じ箇所を個々に読ませる。この1年で、説明文のキーワード・キーセンテンスがわかるようにするため個々に必ず○や線を引きながら読むことを続け鍛えるなど。 ◆選択・自己決定 選択や決定を目の前に個々に考え判断するとき、主体性や自立につながる力を養える。45分や単元構成において意図的に選ぶ活動を設ける。自分で判断、決定する機会を設ける。 ◆個々の変容 ノートの記述が45分間のうちに、増えた減った、補った、かえた(リライト)などの変容がわかり個々に学びの自覚が持てる授業づくり。また、すぐに当てずに全員に考える、書かせる、読ませる時間を確保するなど、個々を意識した指導を日常化する。 (例)発問→考える→書く→交流→ もう一度考えて書き足す・板書から必要なものを取り入れ書き足す書きかえる等 ◆目標と活動と評価の一貫性 目標、指導と活動、教師や子ども自身の評価は一貫性があるべし。何を目指して活動し何ができたかわかったかを意識させ明確にさせる授業を積み重ねる。教師はこの授業づくりを強く意識する。たくさんのことを意図せず偶発的にさせたりほめたりしてぶれ、曖昧なまま日々を過ごすのと大きな差。 ◆“たい”を育てる 関心・意欲・態度は学力である。この高まりや継続が常時になれば自立につながるのではないか。もっと引き出し育てる意識を持ちたい。やってみたい、わかりたい、できるようになりたい、確かめてみたい、聞きたい、調べたい、探したい…。この“たい”を引き出し子どもが自ら動き出したくなるように、単元のはじめや各授業の導入の工夫、それを継続させる工夫は必須ではないか。 (東近江市立玉緒小)
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