言葉の感覚で遊ぶ 言葉の感覚を磨く
西 村 嘉 人
4年生の国語の学習を1時間だけの飛び入り授業。単元は、「文と文をつなぐ言葉」。導入の時間なので、学習内容に関心をもたせることを主なねらいにした。 授業の始めに、 雨がふりそうだ。 [ ] かさを持っていかない。 の[ ]に「しかし」と「だから」を入れて視写をさせながら、どんな思いが伝わってきたかを考えさせた。 C 「しかし」は、行ったところにかさがあるからだいじょうぶという感じがしました。 C わたしは、ふりそうだけど天気予報でふらないことを知っているので持っていかないのだと 思います。 C ひどくふらないだろうと思っている感じです。 C 「だから」は雨にぬれたいので、わざと持っていかないのだと思います。 C やったー。雨だ、と喜んでいる感じです。 子どもたちが、次々と自分の感じ方を発表していく。発表の度に表情が緩んでいく。子どもたちに、「いい感覚してるよ。」「よく、そこまで感じたねえ。」と誉めながら、 「じゃあ、読んでて変と感じたのはどっち?」 と次の活動に移った。もちろん子どもたちは「だから」と大合唱である。 「どうして変なのかを考えよう」と、ちょっと思考のレベルを上げてみる。「何となくはダメ」と釘をさした。 C 「だから」を使うと、雨がふりそうなんだから、かさを持っていくはずなのに、持っていかないと続くから変なのだと思います。 C 「だから」を使ったら、持っていくでないとつながらないと思います。 C 「だから」なのに、終わりに「ない」とつくのは変です。 思わず、「すごいねえ。先生が今日教えようと思ってたことを、全部言われちゃった。」 と持ち上げながら、 しかし→持っていかない。 だから→持っていく。 を板書して、学習をまとめた。 子どもたちの言葉の感覚を楽しもうと授業を仕組んでみたのだが予想以上に子どもたちは、いい反応をしてくれた。1時間で終ってしまうのが残念で仕方がない。 (彦根市立旭森小)
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