▼11月例会(第381回)の提案は北島さん(志津小)。会場は、三上さんが校長をされている沖島小学校。琵琶湖に浮かぶ島、実南天の赤や空と湖の境が見えない青。島の人々の穏やかな顔。昭和の時代を感じる風景。時間が止まったような豊かな1日でした。

▼研究教材「君たちに伝えたいこと・日野原重明」(東書)。「文章と詩を読んで、自分の考えや思いを広げたり深めたりしましょう」と目標を表紙に示している。教材で着目したのは次のことである。
○日野原さんが97歳であること。
○医師をはじめたくさんの仕事をされていること。(看護や学会発表)
○小学生と対話をしたいという気持ちを強く持っておられること。
これらは文章の始めにある7行の解説から取り出したものである。

▼文章は読んでいると深く心にとまる言葉ばかりである。
○寿命とは生きている人の命の長さであること。
○寿命という空っぽのうつわの中に、精いっぱい生きたい瞬間瞬間を詰め込んでいく。
○ほかの人のために時間を使えたとき、時間はいちばん生きてくる。

▼授業をするとしたら、自力で文章を読ませたい。小学校最後の教材。自分の力で日野原さんの文章を読んだという貴重な体験をさせたいと熱く心が動く。「この気もちはなんだろう」(春に・谷川俊太郎)と呼応する。(吉永幸司)