秋の詩をつくりましょう
廣 瀬 久 忠

 5年1組に2時間、集団創作詩の楽しさを味わうべく授業をした。
 ねらいは3つ。
 ○目的を持って関連するテキストを読む。メモしながら読む。
 ○詩というジャンル本を読み広げる。たくさん読む。
 ○合作の詩を創るよさを味わう。

【1時間目】 (2校時)
 119冊の詩集を多読して、お気に入りの詩を視写することからはじめる。視写は質より量を求める。「数多く集める」がキーワードである。自分の感性で「気に入った詩」を選び、詩作への壁を取り払いたかった。  後半は、秋の季語一覧の漢字の読みを確かめながら、季語にまつわる心象風景をみなんで描いた。
 そこで「やっぱり秋といえば」の問いかけに応えることば選びの学習をする。たぶん他の子は考えないだろう個性的なことばをもの・こと・ひと・しぜんから生み出す楽しさで教室が賑やかになった。雑音が周囲の思考を妨げることも伝え、沈思黙考の時間が流れる。
 子どもが3校時の学習をしている間に個々のノートから「やっぱり秋といえば」集団創作詩に仕上げるべく編集をする。似たようなことばは続けてみる。名前を出さなくてもこれはあの子の「とっておきの秋」だと分かるものもちりばめ、印刷し、次時に備える。

【2時間目】 (4校時)
 プリントを配る。ざわざわとささやきが聞こえ、笑顔があふれる。
 「やっぱり秋といえば」もの編・こと編・ひと編・しぜん編を読み味わう。そこかしこに笑い声が起こる。「なるほど」「あっ,Tさんの秋」と楽しい。

  「やっぱり秋と言えば」 こと編
 やっぱり秋と言えば神無月です。
 やっぱり秋と言えば芸術の秋です。
 やっぱり秋と言えば秋祭です。
 やっぱり秋と言えばお月見です。
 やっぱり秋と言えば満月です。
 やっぱり秋と言えば十六夜です。
 やっぱり秋と言えばいねかりです。
 やっぱり秋と言えば稲田です。
 やっぱり秋と言えば稲穂です。
 やっぱり秋と言えば運動会です。
 やっぱり秋と言えば疾走です。
 やっぱり秋と言えば体育祭です。
 やっぱり秋と言えば組立体操です。
 やっぱり秋と言えば区運動会です。
 やっぱり秋と言えば五輪決定です。
 やっぱり秋と言えば東京五輪です。
 やっぱり秋と言えば敬老の日です。
 やっぱり秋と言えば敬老会です。
 やっぱり秋と言えば秋分の日です。
 やっぱり秋と言えばお彼岸です。
 やっぱり秋と言えば文化の日です。
 やっぱり秋と言えば読書の秋です。
 やっぱり秋と言えば登山です。
 やっぱり秋と言えばキャンプです。
 やっぱり秋と言えばハロウィンです。
 やっぱり秋と言えばかぼちゃです。
 やっぱり秋と言えば仮装です。
 やっぱり秋と言えばパーティです。
 やっぱり秋と言えばランタンです。
 やっぱり秋と言えば梨狩りです。
 やっぱり秋と言えば山の色です。
 やっぱり秋と言えばうふふです。

 集団創作詩の楽しさを味わい、さまざまな感じ方をさまざまなことばであらわせる喜びを響かせる2時間となった。
(湖南市立菩提寺小)