調べ学習の授業
森  邦 博

 学校図書館研究大会が10月24日、高島学園を会場に開催され、私は小学5年生の研究授業・授業研究会に参加した。

 水と生活とのかかわりについて考えて疑問を持ったり、問題に思ったりしたことについての自分の調べる課題を設定し、図書資料などを利用して調べるという学習過程である。
(1) 自分一人で調べて分かったこと、分からないことをまとめる。(A:一人学習)
(2) (本時)グループで発表し合い情報を交換する。分からないことはメンバーで教え合ったり、参考になる資料の情報を交流して解決の見通しを持つ。グループでも解決できる見込みのないことは、学級全員に尋ねることにして小黒板に書く。(B:グループ学習)
(3) 学級全員でグループ発表を聞き合い、グループからの質問についての答えを見つけて情報を伝え合う。(C:全体学習)
(4) 全体交流で得た情報を参考にして、自分たちの疑問を解決してまとめる。(A・B学習)

 本時では子どもたちは、他のグループからのお尋ねに対して、自分の調べたことで教えられることはないかと、一人学習を見直して発言していた。が、自分の調べたことと重ならない場合は助言のしようがないのか、すぐに学習活動は停滞してしまった。
 すると、一人の子が、「確かこの本のここに書いてあったはず」と、自分が調べたことではないが、資料を読んでいたら書いてあったことを思い出したのか、ページを開いて見せながらアドバイスした。また別の子は、自分の持っている本の目次を見て、確かめる姿をみせたのである。本の内容を、目次を使って確認・把握する読みの技能を活用している姿である。
 するとまた、索引を開き、質問内容に関するキーワードを探して、ページを確かめての発言も加わり始めた。学習は再び活発になっていった。

 百科事典を読むことは、小学校中学年での学習内容として位置づいている。子どもたちは、友達のお尋ねに応えて情報を提供しようと、見出しや目次、索引の活用という既習の学習を進んで取り入れ、生かしている。そういう学習の仕方ができていることを認め、誉めてやってほしいと思った。
 調べ学習の過程では、調べる内容を理解すると同時に、調べ方を身につけることの二つが同時に目指されることになる。
 本時の終りには、この二つの視点から本時の学習を振り返り、どのような大事なことができるようになったか、分かるようになったかを自分自身で評価できるような学習態度も育てたいものだと思った。
(滋賀県教育会)