読書生活をつくる
北 島 雅 晴

 毎年児童に行うアンケートの中に、「進んで読書をしていますか」という項目がある。今年の6年生は、読書にあまり興味がないという傾向がある。普段の読書の様子を見ていても、「今、これを読んでいます」という本がない子が多い。
 そこで、少しでも読書に興味をもってほしいという願いから、毎月課題図書を決めて読み、カードにまとめるという活動を設定した。

 学年全体が同じテーマで取り組むと、課題に合った本が足りなくなるので、学級でテーマを変えて行うことにした。例えば、9月の課題図書は、次のとおりである。
1組「自然エネルギーについて調べよう」
  ※国語科の授業の発展読書として位置付ける。リーフレットをつくる。
2組「動物文学を読む」
  ※シートンまたは椋鳩十の本を読む。動物文学の魅力を紹介カードに書く。
3組「伝記を読む」
  ※人物の業績や生き方について、紹介カードにまとめる。
4組「SFを読む」
  ※星新一、小松左京、ウェルズ等の作品を読み、その魅力をカードにまとめる。

 各学級45冊程度の本を用意し、教室の後ろに課題図書用の学級文庫を設置する。
「先生、後ろにあった星新一の本を全部読んでしまったのですけど、どうしたらいいですか。」
と話す男の子がいた。特に、星新一の「ショートショートセレクション」に興味をもつ男の子も多い。6年生くらいの子にあった魅力があるらしい。
 普段はあまり本を読むことがない子が、昼休みに一所懸命読んでいる姿を見かけた。
「この本、読みだしたらはまってしまう。」
と、つぶやいていた。もちろん、興味をもてないテーマの月もあるとは思うが、いろいろな種類の本 に出会うという経験をさせたいと思う。

 月末には、この1か月の読書生活をふり返ってカードにまとめる学習を行う。例えば、SFについては、肯定的な反応が多かった。

◆SFは、とてもおもしろくて目が離せません。フィクションだから本当にはない話だけど、想像が広がってとても楽しいです。
◆私は、SFを読んでとてもはまりました。SFには、考えたこともないようなことが起きて、空想のもの(宇宙人やタイムマシンなど)が出てくる、そこに私ははまりました。みなさんは、SFのことをどう思いますか。
(草津市立志津小)