説明文の教材研究 「もうどう犬の訓練」(東書3年)
飯 沼 俊 雄
1、文章を読む 教材研究の初めは文章を読むこと。黙読より音読の方が正しく読める。読みながら、文番号をつける。いくつの文からできているかだけでなく文の長短が分かる。 2回目は、段落ごとに番号をつけて読む。一文一段落もあれば、一段落が5つの文でできているものもある。読んでいく過程で、何を説明している文章であるのかはっきりしてくる。もうどう犬のこと(1〜3段落)、訓練の始まりと内容(4〜10)訓練で身につけること(11・12)訓練の期間(13)訓練を終わってから(14)。(数字は段落番号) 2、文章の細部を読み解く 大まかな内容が理解できてから細部を読むと構成がはっきりしてくる。先ず、題名の読みから始めると「もうどう犬」と「訓練」の2つがキーワードになる。 もうどう犬を説明している段落と訓練を説明している段落に分けて読むと、最初は、もうどう犬の説明、次は訓練。そして、最後は訓練の期間と終わってからのことになっている。特に、訓練の内容を丁寧に説明している。 更に、文章を詳しく読むために、文頭の言葉を書き抜く作業をした。(数字は文番号) [1]犬は、 [2]ペットとして [3]はたらく犬は、 [4]もうどう犬は、 [5]もうどう犬は、また、 [6]もうどう犬に [7]さいしょは、 [8]訓練する人は、 [9]犬は、 [10]いちばんむずかしのは、 [11]もともと [12]しかし、 最初は「もうどう犬」が続く。細部を読むと文章の仕組みが分かってくることに気づく。そこで「訓練」が出てくる文を抜き出した。 [4]働く犬は訓練をされた犬 [7]もうどう犬になるための訓練 [9]訓練をする人は [15]人を安全にみちびく訓練 [16]この訓練が始まると、 [22]訓練をします [23]訓練をくりかえして [30]こうした訓練は [32]訓練を終えて この他、[9]さいしょは、[13]しかし、[15]次は、[19]たとえば等の言葉が及ぶところを読んでいくと、最初の読みで見えてこなかった新しい意味をとらえることができる。 3、具体的な学習活動 (1) 全文を一覧できる文章から言葉探し 文章の細部を読み解く際に次の活動を取り入れたい。 全文を文番号をつけて並べる。似ている言葉、繰り返し出てくる言葉、文末の言葉にカラーペンで色分けをする。そして、見つけた言葉の仲間分けをしていく。訓練に関係するグループ、文章のはじまりのグループ、さいしょは・次は・しかし・たとえば等の言葉のグループ。さらに、文番号をかたまりにわける理由を聞き、段落の構成に気づく。 (2) キーワードを書き抜く虫食いワーク 活動をしながら、文を読む間に「もうどう犬」と「訓練」の2つのキーワードに必要な言葉を書き込むことでそれらの大切な言葉がわかる。 (3) 問題づくり 問題づくりは子どもにとって楽しい活動となるだろう。また、グループ学習も可能である。答えは教科書の文章にある。この活動から質問力をきたえ、判断力を身につけていく。 教材研究で得たものを、単元の目標と絡めることが次に行うことである。 (湖南市立菩提寺北小)
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