初任者研修事始め 〜拠点校指導員として〜
高 野 靖 人

 本年度も初任者研修の拠点校指導を行っている。本年度は、拠点校に2名の初任者がいるため、兼務校は2校となる。

 4名の初任者、共通点もあるが、大きな違いもある。まず違いから。1点目は、担任している学年だ。本年度は、2年・3年・4年・5年と全員異なっている。5年生の初任者を指導することは、私も初体験である。放課後に研修をしたり、後補充の先生との打ち合わせがあったりで、初任者は下学年を担任することが多い。ただ初任者の採用が多くなり、学校の様々な事情で、そうしたセオリー通りにいかないケースも出てきている。
 違いの2つ目は、初任者の所属する学年の学級数である。単級、2学級、3学級、4学級とこれも全員異なる。例えば、学年通信の作成では、単級の学級では当然すべて自分一人で作らなければならないが、4学級の初任者は、年間3、4回で済む。しかし、学級数が多くなればなるほど、学年として共通理解をして実践を進めるための学年会の回数も多くなり、時間も長くかかる。

 さて、4人の共通点であるが、学級担任の経験が全くないということである。3人は、昨年度は大学生だったまさにピカピカの新人である。残りの1名も、特別支援加配などの講師経験があるだけで、学級担任の経験は全くない。

 新年度が始まって1か月あまり。初任者は、日々の授業、学級経営等に四苦八苦しているのが現状である。
そこで、現時点で例年以上に次の2点に留意している。
@ 拠点校指導日に現状を確認し、常に今後の見通しを示すこと。各教科の進度を確認、成績処理等の見通しを示唆する。また、例えば、来月行われる人事訪問に際して、担任としての心構えやなすべき仕事内容などの指導等。
A 学級担任として行う事務について、別室研修でレクチャーするだけでなく、必要に応じて具体的な指導をすること。具体的には、出席簿や指導要録(1学期に行うべき事務処理)など。実物を見ながら確認をしている。

 4名の初任者が、1年の研修を終え、担任としての実力と自信を得ることが、拠点校指導員としての私の望みである。そのためには、各校の校内指導員や学年の先生等との連携も大切である。一定水準の研修を計画的に実施する拠点校指導員であっても、その学級の実態やその初任者のニーズを常に意識して研修を行っている。
 そして1週間ごとに定点写真のように訪れる4つの教室の子ども達。その成長する姿を見ること。そしてそれを支える一助となっていることが一番の喜びである。
(大津市立仰木の里東小)