沖島小の学校づくり
三 上 昌 男

 4月より、全校児童9名の沖島小学校に勤務している。沖島小の子どもたちは、自然豊かな沖島で元気に学んでいる。沖島について、6年生の児童が、次のように書き表している。

「私が住んでいるところは、琵琶湖にうかんでいる沖島です。島は、自然がいっぱいです。奥津島神社から見る景色は、琵琶湖が光り輝き、向こう岸にある山もたくさん見えて、とてもきれいです。春には山に登って山菜を採りに行き、夏には琵琶湖で泳ぎ、秋には山が色づき、冬には雪で島が真っ白になります。(以下略)」

 登校した子どもたちの活動は、朝読書から始まる。週2日は教員の読み聞かせを行っている。読書の習慣を身につけることをめざして、本との出会いを工夫していきたい。
 朝の会は、毎日全校児童と職員で行っている。子どもの司会で進められ、子どもも先生も一緒に朝のスピーチを輪番で行っている。聞く側の子どもたちが、スピーチの内容について質問することで、主体的に聞き合うことを大事にしている。また、「今月の歌」をみんなで歌っている。歌声を鍛えることも本校の課題である。

 少人数のへき地校として、他校との交流に積極的に取り組んでいる。今年度の1学期には、県内のへき地校2校と交流を行う。また、県外の中学校が沖島を訪問する際、交流を受け入れる計画である。近隣の島小学校とは、各学年の校外学習を一緒に実施している。また、音楽会に参加させてもらっている。多様な交流を通して、人との出会いを楽しむ子どもに育ってほしいと考えている。  本校は、全校児童による「沖島太鼓」(和太鼓)の伝統を受け継いでおり、4月から週1回「太鼓の時間」で練習を重ねている。6月から、校内外で太鼓の演奏を披露する機会が毎月のように予定されている。表現力向上の取り組みと位置づけ、力を入れている。

 5月には、保護者参観日に「やまびこ集会」と呼んでいる学習発表の場を持った。3学級(複式2学級)の子どもたちが、詩の暗唱と楽器の演奏を発表した。詩や物語等の暗唱には、読み声を鍛えることをめざし、年間を通して取り組む計画である。私は、子どもたちの暗唱を校長室で聞く役割を引き受け、小さな賞状を準備し、励ます支援を始めたところである。

 校内研究では、「生き生きと表現する沖島っ子」をめざし、言語活動の充実を図り、学習意欲を高める授業作りに取り組む。一人ひとりに配慮した、子どもの側に立つ学習展開を求めていきたい。
(近江八幡市立沖島小)