学習のやりやすさ
北 島 雅 晴

 説明文「イースター島にはなぜ森林がないのか」(東京書籍6下)の学習を始めた時のこと。すらすらと音読をすることをねらいとして始めたのだが、途中で音読をやめてしまう子が数名出てきた。難しい言葉もたくさん出てくるし、文章そのものに興味が持てないようだ。そこで、いったん活動を中断した。

「音読がうまくいかない人もあるので、ちょっと聞きたいのですが。このお話の大体を理解するとしたら、どの方法がいいですか。」
 A.先生の音読を聞く
 B.自分で音読する
 C.自分でだまって読む(黙読)
 D.みんなで読む(リレー音読)
と板書をして、一つに手を挙げさせた。AとDが2〜3名で、BとCは半々に分かれた。(少しだけ音読が多い。)私自身は、ゆっくりと黙読した方が理解できるのだが、子どもたちは違うらしいと分かった。
「AとDは、少なかったので今回はやめて、BとCを組み合わせて学習を進めていきましょう。今日は全部で三回読んで、そのあと2行感想を書いて終わりましょう。」
 学習のねらいと活動を変更することにした。

 この仕切り直しをしてから、学習への興味を失いかけていた数名の子がまた、学習に向かうことが できるようになった。なぜなのかは、はっきりと分からないが、すらすらと音読ができるようにするというねらいが、はっきりしないものだったのか、音読がにがてなのか。
 間違わずに音読ができること、文章の大体の内容を理解すること、この二つが学習の始めの段階では大切である。そこへ向かうためには、幾通りも方法はあるので、子どもにあったやり方を選べばよいと感じるちょっとした出来事であった。次の時間からは、子どもの感想、特に分からないことを中心に学習を進めていきたい。

《この時間の2行感想》
 ※2行=50字程度 ※分かった・分からない・思ったことという視点で書く
○写真を見るときれいな所だけど、 昔は森林でおおわれていたことは想像できない。環境を守ることが大切だと分かった。
○森林がまったくなくなったことがびっくりしました。どうしてなくなったのかがわかりにくかったです。
○自然を大切にしないと大変なことになることがわかりました。ラットのことにどうして気づかなかったのか。
○どうして森林がなくなったのかその原因がよく分かったなあと思いました。
(草津市立志津小)