段落の内容をとらえる 自然のかくし絵
藤井 隆一

(1)あらすじをとらえる
「おや、何かいるよ。」という問いかけ文と枝にとまったナナフシの写真で教材「自然のかくし絵」(東書3上)の扉が開く。単元名「だん落に気をつけて読もう」に続き、「だん落ごとに内ようをとらえながら読みとりましょう。」という呼びかけに子どもたちは出会う。
 「だん落の内ようをとらえる」について「言葉の力」(学習の手引き)で、次のように習得する力を示している。
○だん落の内ようをとらえるときは、くりかえし出てくる言葉や、題名とつながりがあると思う言葉など、だいじだと思う言葉に気をつけて読むようにしましょう。
 本教材を「だん落の内ようをとらえる」力を育てることと位置づけて指導をするとどのような授業が展開できるかとうことを考え実践した。

(2)単元指導計画
 単元計画を次の4段階で考えた。
@段落について知る。
A段落ごとに「時・場所・虫・大事な言葉」をおさえながら文章の大体を理解する(解きほぐし)
B学習の手引きの問題を手がかりにして段落ごとに、書かれていることをノートに整理する。
C「自然のかくし絵」では、段落ごとに書かれていることを読み取る勉強をしたことを確かめる。
 指導計画の意図は、子どもたちが段落ごとに内容をとらえる力を育てることである。

(3)実践
 発問、「繰り返し出てくる言葉や題名につながりがあると思う言葉に気をつけた『書かれていること』は、何でしょう。」意見がAとBの2つに割れた。
A 秋になって、エノキの葉が黄色くなるにつれて、ゴマダラチョウのよう虫も、だんだん黄色にかわっていきます。
B まわりの色が変化するにつれて、体の色がかわっていくこん虫もいます。  繰り返し出てくる言葉や題名につながりがあると思う言葉がどちらにも入っていてどちらがよいのか子どもたちは考え込んだ。そこへN児が挙手をした。
N児 Aだとゴマダラチョウの幼虫だけになってしまうけど、Bだとほかのこん虫もいるからBがいいと思います。

(4)考察
 AとBは、特殊と一般の関係である。N児は、それを見事に見抜いて発言した。この場面で、この子の存在は大きかった。ただ、今後、このような発言がなかったとき、教師は、どのような指示、発問をすべきかが課題である。
(栗東市立治田小)