「銀河」の謎を解く 
弓 削 裕 之

「銀河」(光村5年上)の巻頭詩を使い、比喩表現や擬人表現を具体化する学習をした。めあては、「5年生はなぜ〈銀河〉か考える」である。視写させた後、「4年生の教科書は〈かがやき〉でしたが、5年生はどうして〈銀河〉なのでしょう」と問いかけ、詩中の言葉が何を表しているか考えた。子どもたちは、〈星たち〉を5年生になった自分たちと重ね、詩的表現を自分たちの身近な言葉に変えていった。

「〈ぶつかり合い、重なり合い〉は、けんかしたり仲直りしたりすることを表していると思います。」
「〈重なり合い〉は、協力することだと思います。」
「〈ぶつかり合い〉は、けんかではなく、壁にぶつかることだと思います。だから〈重なり合い〉は、それを乗り越えることだと思います。」
「〈河のように光っている〉が一人ひとりが輝いていることだとしたら、そのあとの〈銀河〉は五年生の心を表していると思います。」
「〈牛乳をこぼしたように〉は、心がばらばらということだと思います。」「わたしは、こぼした時の広がりが、1組2組3組を表しているんだと思います。」
「ぼくは、〈牛乳〉は親の愛を表していて、親の支えがあって成長していることを表していると思います。」
 想像はとめどなく膨らんだ。「〈あの遠い空〉とはなんでしょう。」と問いかけると、「学校の教室」「6年生」「大人」「未来」という言葉が出てきた。

 学習感想を「今日の学び」と題し、めあてに対する自分なりの答えを書かせた。
oなぜ「銀河」かというと、五年生たちがけんかしたり、協力したり、心が光っているのがまるで5年生みたいだからです。
o5年生は、大人への道へ進む一歩をふみ出す学年なので、「銀河」という題になったんだと思いました。
o「牛乳をこぼした」というのは小学校を卒業してみんながいっせいに色んな道を選んでいくような感じだから、あと2年で卒業なので、私は5年生にぴったりだと思いました。
o5年生の心が協力したり困難を乗りこえることによって、4年生よりみんなが星のように光っていくから、5年生は銀河の詩になったと思います。
oこれからいろんなことがあってみんなで成長していくのかなと思いました。
oけんかもするけれど、それによって学び、助け合うことができる5年生になりたいです。
o銀河の意味を理解し、その言葉に向かっていきたいです。
(京都女子大学附属小)