巻頭言
6年生が考えてくれた「長尾台小しぐさ」
吉 川 彰 彦
6年生が『江戸しぐさ』を学習して、『長尾台小しぐさ』を考えてくれました。 「傘かしげ…雨の日に互いの傘を外側に傾け、ぬれないようにすれ違うこと」。これなど聞いたことがあるかと思います。『江戸しぐさ』には、商家の精神や江戸人の知恵が散りばめられていると言われています。現在では、大勢の人が気持ちよく暮らすための、人間の人間への思いやり、共生のマナーとして取り上げられることが多く、学校の道徳教育にも広がっています。 児童集会で6年生が『長尾台小しぐさ』を紹介してくれてから、廊下のあちこちで「走ったらアカン、ゆっくりかめさんやで」「しのびのしずかちゃーん」という声が聞こえるのが微笑ましかったです。雨の日は私が傘立てを見回ります。かさをひもで止めないために場所をとってしまい、かさの中にかさがさしこまれ、さらにそのかさの中にまたかさが…逆三重の塔のようになっていることもありました。児童集会の後は、ひもで止めていないかさが、いつもならざっと60本以上はあったのが20本弱にまで激減。これも嬉しかったです。 (宝塚市立長尾台小学校長)
|