あたたかい聴き方 やさしい話し方 〜仰木地区連携事業より〜
高野 靖人

 3学期の職員会議で、生徒指導の担当者から「仰木学区小中連携事業」についての提案があった。小中連携という看板だが、保・幼の連携担当の職員も参加した会議が開かれている。その場で、地域の保・幼・小・中の各校園が共通実践できることは何か話し合った結果、「話す力・聞く力とつける」取り組みに決定したそうである。 園児から中学生では、発達面の差も大きいため、間をつなぐ小学生を3段階に分け、「保育園・幼稚園版」「低学年・中学年版」「高学年・中学校版」として図示されている(別掲参照)。「あたたかい聴き方」と「やさしい話し方」をそれぞれ4つのレベルに分け(保育園・幼稚園班のみ3レベル)、具体的な目標として提示している。



 実際に共通実践を行うのは、来月からスタートする平成25年度なので、どんな成果が出るかは未知数である。ただ、学習面だけでなく日常のコミュニケーション力にもつながる「聞く・話す」能力について、校種間を越えた共通実践をする試みは、次の二点から重要だと思われる。一点目は、校園の取り組みを交流することで、それぞれの取り組みを活性化できる点である。もう一点は、この取り組みが継続されることで、この地域で進学していく子どもたちによい影響が出るのではないかという期待感である。加えて仰木学区のすべての教職員が共通の認識を持って取り組むことも、地域の教育力を高めることにつながるだろう。どちらにしても形式的な取り組みで終わらせず、子どもの姿として表れる成果を目指して努力していきたい。
(大津市立仰木の里東小)