草津市子ども環境会議 〜大人と子どもの環境井戸端会議〜
蜂 屋 正 雄

 今年は草津市役所で行われた「大人と子どもの環境井戸端会議」のコーディネーターをさせていただく機会があった。この会議は毎年行われおり、12回目となる今年は、「はじめよう、未来へのエコアクション」というテーマで、日常からなくしていける生活のむだなことは何か話し合った。環境学習についての会議であるが、言語活動ととらえて会議の流れを考え、運営した結果を報告する。

 全員の考えが一度は挙がり、主体的に話し合いができるように3つのステップを設けた。
(1) 6人から8人の「班」で、一人一人の意見をだし、良いものを1つ選ぶ。
(2) 班から出された意見を50人程度の「グループ」で出し合い、良いものを2つ選ぶ。
(3) 4つのグループ(200名)から出された合計8つの意見を聞きあう。
 そして、3回の話し合いの中で、自分が今日からできそうな考えを持ち帰る。
 会場は、小学校4年生から中学校3年生まで、グループでの話し合いをサポートするのは過去に井戸端会議に出席してくれた高校生と大学生の先輩である。

 言語活動として
○班での交流前に「エコアクションカード」に書く時間を取ってから意見を出し合う。
○カードに書く前に簡単な文型を示す。「わたしは○○がむだなので、△△します。」
○カードにはできるだけ理由を書かせる。
ということを示し、できるだけスムーズに話し合いが行われるようにした。

 会議の前後で子どもたちの考えは「電気のむだをなくす。」「水をむだづかいしない。」という、一度は学校で聞いたことがあるものから「できるだけ体を動かす。」「ゴミを出さないようにする。」という、話し合いの中で選ばれたものへ変わっていった。お互いの考えを出し合い、どれがよいかを選ぶ中で良いと思った意見と理由を出し合うことができた。また、それぞれの子どもの経験の差を埋めながら、行動目標の視点を高めることができたと考えている。話し合いをサポートする高校生や大学生も「子どもの発言を受け止める。」「認めて褒める。」ということを基本スタンスに一生懸命に子どもたちの意見を出し、まとめてくれた。コーディネーターとしては、全体の進行とともに、3回目の会議で出てきた8つの意見を見て「体を使う」「ゴミを出さない」ということを共通のキーワードであるとして示した。その後、話し合いの様子やキーワードについて価値づけのつもりで少し話をした。

 この会議の結果は草津市の広報に「水を大切にします」「食べ物を残しません」「なるべく車やバイクを使いません」という言葉で掲載された。子どもたちは自分たちで考え合った意見を大人の人たちにも伝えることができたことで、自分の意見として意識して取り組んでくれると思う。
(琵琶湖博物館)