言葉を増やす・言葉を深める(2)「俳句を」
吉永 幸司

5 選句集の意図
 選句集には、子ども力で想像ができると思えるものを選んだ。名句の鑑賞をするということも考えた。が、すでに評価がされているものについては、鑑賞する力が育ってからの方がよいと判断し、子どもの作品については、選び合うまで熟していないと思ったからである。そして、何よりも俳句は面白いと感じさせるには、子どもが自分の力で拓いていくことが大事だと思ったからである。
 作品は、子ども俳句コンクールの入選作品や俳句結社の句誌等から選んだ。少し背伸びをして考えるとよい知恵が生まれることを大事にしたからである。加えて、話し合いの快さを体験させたいという願いもあった。快い言葉が広がる交流を実現したいと思ったからである。

6指導計画(全3時間)
 ○俳句を読み、季語や切れ字など俳句の仕組みについて理解をする。(1時間)
 ○俳句の作り方を理解し俳句を作る。(1時間)
 ○俳句作品一覧表から選んだ俳句を紹介し合う。(1時間)※本時

7 本時の目標
○選句集より選んだ俳句とその理由を聞き手に分かりやすく伝えることができる。
 ○言葉を増やす、広げるを意識して、交流活動に参加することができる。

8 本時の展開
@学習の進め方の説明を聞き、学習の方法を理解する。その後、選句一覧表を読む。(音読)
 o本時の学習の仕方を理解させることを目的に、具体的な学習活動を説明する。
 oすでに選んだ俳句を確認させ学習の心構えをさせる。
A言葉を増やす、広げるを意識して自分が選んだ俳句とその理由を交流する。
 o発言を段階的高めるために次のような方法を行う。
  最初は選んだ俳句の番号を発表する。続いて、多くの人が選んだ俳句について選んだ理由を発 表する。さらに、季語や様子を交えて俳句を読み、感じたことを発表する。(段階を追って発言の質が高まることを意図し、期待をした)
B選句が少ないが、想像をすると楽しい俳句について、話し合う。
 o発表のよさに気づかせるように話し合いを導く。
C学習の成果を確かめる。
 o成果の発表により高まりを自覚させる。
(京都女子大学)