第17回「新しい国語実践」の研究会千葉大会
報 告
弓 削 裕 之

 「書くこと」(低学年)分科会で提案をする機会をいただいた。教材は「しらせたいな、見せたいな」(光村1下)。うさぎを観察して書いた絵とメモをもとに、お家の人に知らせる観察文を書く学習である。

(1) 観察したものの絵に線を引き、簡単な言葉でメモを書く。
(2) メモをもとに、観察したものの特徴を文で表す。
(3) 複数の文をつなげ、観察したものを知らせる文章を書く。
(4) 書いた文章を読み返し、句読点や誤字脱字を確認する。

 細かな評価規準を設定し、(1)〜(4)それぞれの活動が終わるごとにノートを用いて評価をした。確実に力がついた(ABCのB評価をクリアした)ことを確認してから次の学習に進んだ。また、目的意識をもって意欲的に学習に臨んでいるか判断するため、「楽しみな活動はどれか、知らせる相手は誰か、知らせることを選んだ理由は何か」の3つを明らかにさせてから取り組ませた。
 できあがった作文は持って帰ってお家の人に読んで知らせた。事前に通信にて、わかりやすさの視点で評価をしてもらうよう、保護者にお願いをした。

【作文】「学校に、アッシュといううさぎがきました。アッシュのはなは、ぴくぴくしていてかわいいです。おしりは、まるいです。めは、くろいです。みみは、あったかくてとてもきもちよかったです。」
【保護者のコメント】「Aちゃんは、うさぎをちかくでじっくりとみたり、さわったりしたことがないので、きっと、うれしくてドキドキ、ワクワクしていたでしょうね。アッシュのはながぴくぴくしているようすや、目のいろ、よくみていたね。おしりがまるくてみみがあったかいのをじょうずにかんさつしていますね。アッシュがかわいいようすが、よくわかるさくぶんでした。がんばりました。おかあさん。」

 研究会のテーマは「言語活動の充実と評価」である。「1単元の中に身につけさせる力をつめ込みすぎている」「スキル的な学習になっている」など、技能評価に重点をおいた点についてご意見をいただいた。また、全大会でも話題になったが、「単元を貫く言語活動」という言葉について、教師間で理解のずれがあることをご指摘いただいた。診断的評価をもとに子どもの言語実態を把握した上で、「身につけさせたい力に対して相応しい言語活動になっているか」の判断をすることが要である。  全校で取り組んでいるノート指導について高評価をいただいたことは、がんばっている子どもたちに伝えたい。
(京都女子大学附属小)