びわ湖環境学習
箕 浦 健 司

 びわ湖フローティングスクールの航海中に行われる「びわ湖環境学習」。びわ湖やそこにすむ生きもの、びわ湖の島の展望など、「琵琶湖に学ぶ」ことをテーマにしたプログラムが多数ある。

 多くの航海で実施されるのが、「プランクトンウォッチング」と「『湖の子』水調べ」(透明度調べ)。この2つのプログラムについては、その結果を航海終了後の航海日誌にも掲載している。顕微鏡は30台以上を常備しているので、2人に1台は確実に保証できる。また、調べたい地点の水をくみ上げることができるので、様々な観点で水質の比較ができる。どちらも学校では難しい、フローティングスクールならではの学習である。

 しかし、2つとも、必ずしなければいけないプログラムというわけではない。それぞれの航海の主題や指導目標、乗船各校の学習内容や児童の実態に応じて、自由に選ぶことができる。実際、フローティングスクールでは毎年複数の研究班に分かれてプログラム開発を行っている。所員は、航海計画作成会議や事前打合わせ会等の場で、新たなプログラムを紹介し、先生方の選択の幅が広がるよう努めている。

 最近多く取り入れられているのが、「シジミのストラップづくり」。琵琶湖には多くの貝が生息しているが、貝について学ぶプログラムがなかったので開発した。材料費は、1人分にして80円程度。楽しくストラップづくりをすることをきっかけに、貝に興味を持たせたいと願っている。ストラップが航海の思い出の品にもなる。

 また、冬場には、多くの水鳥が琵琶湖に飛来する。水鳥観察は以前から行われていたが、より子どもたちが学びやすいようにと開発されたのが、「水鳥のしぐさ調べ」。水鳥の種類等を調べるのではなく、水鳥特有のしぐさに注目させる学習である。これなら、双眼鏡やフィールドスコープ等を使用しなくても、肉眼で簡単に見つけることができる。時間を区切って課題を与えることで、子どもたちも一所懸命に探す。航海1日目のウォークラリーの中にしぐさ見つけを取り入れて実施し、2日目の船内学習でみつけたしぐさの意味について詳しく学ぶという流れである。この季節には、多くの航海で実施されている。

 他にも、水調べとプランクトンウォッチングをつなげ、琵琶湖の水質の学びを深めることをねらいとした「びわ湖の水の濾過実験」、冬になると琵琶湖の深層水と表層水との温度差がなくなり、混じり合うことを学ぶ「びわ湖の深呼吸」等も今年度の航海で実施されている。

 このように、新しいプログラムが選ばれるためには、我々所員が、そのプログラムの魅力を先生方に伝えることや、航海の主題や指導目標に合ったプログラムを見極め勧めることができるかということが必要となる。もちろん、先生方が立てられた計画も大切にしなければならない。先生方との協議の場は打合せ会のみ。大変重要な会議なのである。責任重大であるが、航海終了後、
「先生、ご助言頂いたプログラム、子どもたちが大変熱心に取り組んでいました。ありがとうございました。」
というようなお言葉をいただくと、大変ありがたく、また、意欲が沸々と沸いてくる。
(びわ湖フローティングスクール)