言葉を増やす・言葉を深める(1)「俳句を」
吉永 幸司

 俳句の鑑賞をする学習を通して季語の働きや十七文字で表現する作品を読み、解き、味わう活動を目的にして実践をした。

1 題材名 言葉を増やす・言葉を広げる「俳句を」

2 単元目標
@俳句を作り、鑑賞をしながら俳句の学習に親しもうとする。
A俳句を作り、鑑賞をする活動を通して、伝え合うことの快さを感じる。
B俳句を作り、鑑賞をしたりする過程で言葉を増やしたり広げたりすることができる。

3 指導にあたって
 「適切に表現する」と「正確に理解する」は言語生活の基本である。日々の国語科の授業では、このふたつのことに力を注いでいる。が、教材内容に軸足を置くことが多いため、焦点がはっきりしないことが多い。子どもの日常の言語生活を見ていると、語彙の量の多さや使い方に対する気持ちの持ち方の関わりが大きい。日頃の実態から、言葉の豊かな言葉の使い手になろうとする気持ちを育てることが大切であると考え、「言葉を増やす・言葉を広げる」を意図した授業を構想した。
学習の対象を「俳句」にしたのは、季語の奥深さに気づかせたいことと作品を鑑賞するという活動を通して様々な言葉と向かい合うことができると考えたからである。本単元の指導では次のような指導をしたい考えている。

@俳句を読む、作る、鑑賞をする 学習を通して俳句に親しむ。
 「俳句を」に続く活動として「読む・作る・鑑賞する」という言葉を考えている。俳句の鑑賞では、作品を深く読めることの良さを感じ取らせたい。十七文字という表現は、作品を読む人に委ねられる。季語の解釈や情景を想像し、言葉で説明をすることは、言葉を増やす、広げるふさわしい活動である。
A俳句を読む、作る、鑑賞する。
 俳句を、読む、作る、鑑賞する経験は、これから、あるいは、将来に亘って力になる活動である。
B俳句を通して、友達と関わり、交流をする快さを経験させる。
 俳句の作品を一覧表にし、その中から推薦する作品を紹介する活動を設ける。作品を選ぶという活動には、それぞれの理由がある。その理由を述べながら、聞き手が納得できる言葉を使うことを大事にした交流活動の場を設ける。季語の捉え方や作品の読み取りを通して、言葉と言葉が絡み合う楽しさのある学習活動を展開したい。
(京都女子大学)