説明のしかたの工夫を探ろう 「すがたをかえる大豆」(光村3年下)
谷 口 映 介

「文章の展開構造や筆者の表現の仕方の工夫を見つけ出し、論理的に思考したり、文章等で学んだことを活用しながら表現したりする姿」を目指す児童の姿として本単元を設定した。

◆児童が必然性のある学びを
 児童が自ら学びへと踏み出すための指導の重点を次の三つと考え、学習を進めた。
@ 既習の説明文を読み返すことを通して説明文の特徴を振り返らせると共に、筆者の表現方法の工夫に着目させる。
A 説明文を書く活動を取り入れることで、学習で習得したことを活用する場を設ける。また、筆者の表現の意図に立ち返らせる。
B 文章の構造や論理展開を見つけ出し、自分の文章に活かせるようにさせる。

 単元の始めに、既習の「イルカのねむり方」「ありの行列」を読み返した。児童は、説明文には「段落」「はじめ・中・終わり」の構造、「問いと答え」「文章と対応した写真や挿絵」「つなぎ言葉(接続語)」等があることをふり返っていった。見つけたことは、「筆者のくふうカード」に単元を通して書きためた。教材文には「問いの文」がない。児童の指摘で問いの文を作る活動を仕組んだ。復習の中で、問いの文は題名と関連していることに気がついていたので、児童は様々な工夫をして書くことができた。
「では、大豆はどのようなくふうをして、どのようにすがたを変えて食べられているのでしょうか。」
 この活動を通して、語尾にもくふうがされていることも再確認することができた。また、くふうを書きためることで、自分の説明文を書くという意識を高めることにもつながった。

◆筆者のくふうを文章に活かす
 本単元で特に着目したのは、写真の並べ方の意図である。「中」で段落ごとに大豆でできた食品や作り方が書かれているのだが、筆者がどんな意図でこの順番に並べたのかを話し合った。児童は接続語や表現に着目しながら意見を交流した。さらに、筆者の論理で米を使った料理を並べ変えるとするとどうなるかを資料をもとに考えた。
 学習の出口では、並行読書で読みためておいた本を読み返し、自分が選んだもので「すがたをかえる○○」として説明文を書いた。児童は、文章を分かりやすく書くための筆者のくふうを意識しながら書く進めることができた。
 自分で説明文を書くことができたことは、自信につながったようである。「また書きたい。」「説明文には分かりやすくするくふうがたくさんあっておどろいた。」等の感想が多く出された。今後も学びをつなげる学習展開を追究したい。
(滋賀大学教育学部附属小学校)