放送原稿を書く
中 嶋 芳 弘

 ひょんな事から、ローカルFM局のボランティアスタッフとして、5分程度の放送原稿を書くことになった。仲間とともに、制作を進めていく過程で多くのことを学んだり、改めて認識したりしている。

番組名は「彦根地名しりとり」
 ボランティアスタッフが彦根市の地名(町名)でしりとりをし、言われた場所(町)の紹介していく朗読番組である。それぞれの町には、地名由来、自然環境、歴史、行事、人物等、多くの興味を引く情報がある。現在の町名だけでも130を超える彦根の地名からおもしろい話を伝えたい。

番組制作の基本
 番組の制作は共同作業であり、制作スタッフの共通理解が重要。
・企画書を作る(企画書の草案を作り、全員で検討して最終企画書をまとめるのがよい)。
・どのようなリスナーを対象とし、何を伝えたいかなど、番組のコンセプトを明確にする。
・どんな長さ(時間)で、どんな時間帯に放送するのか、生放送にするのか、収録番組にするのか。
・ 番組制作にはどれだけのスタッフが必要で、どのように仕事の分担するのか、誰が最終責任者となり、誰が制作実務を主導するのかを決める。
・番組を完成するまでのタイムテーブルを作成する。

現地の状況を分かりやすく
 ラジオの場合は、映像がなく、リスナーは現場の様子を見ていないので、具体的でていねいな説明が必要。
・何について伝えようとしているのかを明示すること。
・その場所の位置や様子(広さ、景色、目立っもの、方向など)をできるだけ具体的に伝える。
・抽象的な表現(「大勢の」「大きな」など)はできるだけ避け、数字を使ったり、別のものにたとえたりする(たとえば「ニワトリの卵くらいの大きさ」「大人の身長の2倍くらい」など)と、イメージが伝わりや すい。ただし、数字を多用しすぎないこと。また、数字はできるだけ正確にする(印象でなく、具体的な根拠を持つ)
・5W1H(いつ、誰か、どこで、何を、なぜ、どのように)を伝えるのが基本。
・事前に関連事項を調べておき、適宜レポートの中にはさんでいく。

 朗読は、若い女性2人のかけあい。年配の女性3人が、資料収集や語句の校閲、若い男性留学生が録音とオーディオ編集。元原稿の執筆とディレクターは私。担当を決めて番組は出発した。
(彦根市立河瀬小)