交流の様子を発表して考えを広げる
海 東 貴 利

「平和」について考える』(光村6年)では、自分の考えを明確に伝えようという活動目標が示されている。おおまかな流れは、@資料「平和のとりでを築く」を読んで自分の考えを持つ。A自分の考えが説得力を持つように資料を集める。B構成を考え、意見文を記述する。C書き言葉と話し言葉の違いを考えてスピーチをする。
 手引きには、「これまでの学習や生活の中から『平和』に関することを思いつくまま出し合ってみよう」とある。児童のこれまでの読書体験やテレビや新聞、教材文などから平和をテーマに自分の考えを交流するように示されている。

1 みんなの考えを一覧表にする
 資料の「平和のとりでを築く」を繰り返し読み、毎回、授業の最後に学習の振り返りとして、自分が考える平和について書かせた。それを一覧にして子どもたちに配布した。

2 一対一で交流する
 一覧表を読み、二人組になって発表し合う。同じ立場の相手とは「この部分同じだね」「同じこと考えていたね」とお互いの共通部分を探らせた。また、違う立場の相手とは「…ということは、平和ではないの」「これってどういうこと」と疑問を感じたことを質問させた。一覧表には、1、2文で自分の考えをまとめて書かせたためか、この交流では言葉を補いながら相手に分かるように説明しようとする姿が見られた。

3 全体の場で交流の様子を発表する
 交流のようすをクラス全体に発表させる時間をとった。発表する内容は、「お互いどんな考えを持っていたか」「共通点や相違点はどんなところだったか」「相手の考えを聞いてどんな感想を持ったか」とした。
 YさんとKさんの交流の様子をKさんが発表。「Yさんは、一覧表に『平和=けんかがない世界、戦争がない世界…これは違う気がする』と書いてあったので、どういうことか聞いてみました。Yさんは、それだけで平和とは言えないという考えでした。ぼくは、なるほどなあと思いました。」
 TさんとMさんの交流の様子をTさんが発表。「私は、平和は戦争もなく過ごすことだと思っています。でも、Mさんは戦争がなくなったら平和ということではないという考えでした。私は戦争があるかないかということで、平和について考えていたけど、Mさんの考えを聞いて、違う見方で平和について考えようと思いました。」
 一対一の交流の場面で生まれた新しい発見が、全体の発表でクラス全体に広がった場面になった。
(高島市立マキノ南小)