巻頭言
伝え合う力を高めるために
岩 城 理 佳

 本校は、校内研究で「仲間に思いを話し、仲間の思いを聴く子ども〜伝え合う力を高めるための手だての追究〜」を主題に掲げて研究を進めています。今年度は県教委の事業である「言語力アップ推進事業」を受け、各教科等における言語活動の充実を目指した取り組みも進めています。その中で大切にしていることは、授業の中で自分の思いを持ち、自分の言葉で話す場、相手の思いを受け入れながら聞く場、さらに思いを練っていく場を設け、学び合うことの楽しさや、互いに伝え合うこと、分かり合えることへの喜びを感じられるような学習の場をつくっていくことです。さらに、これらの力が実生活のあらゆる場面で生きてはたらくように、活用できる場もつくっていきたいと考えています。また、日頃から、友だちのよさを認め、支え合う雰囲気を大切にできる温かい学級づくりに努めています。これらの取り組みを通して、言語力の向上と共に伝え合う力を高めていきたいと考えています。

 校内研究夏季研修会では、「伝え合う力を高めるために〜言語活動の充実を図る授業のアイデア〜」という演題で、吉永幸司先生にご講義をいただきました。各教科等の学習の基本ともなる言語に関する能力を、国語科の中でどのようにつけていくのかについてたくさんの実践例を紹介していただきました。ご講義いただいた内容を受け、九月から実践に生かせることについて協議し、全学年で共通に取り組んでいきます。

◎本校の言語力アップ構想
1 児童に身につけさせたい言語力
「自分に自信を持ち、仲間に自分の思いを話す力」「仲間の思いを温かい気持ちで聴く力」「仲間に伝えたいことをまとめて書く力」
2 言語活動の充実を図る手だて
〈手だて1〉各教科等の授業改善
 ○話す・聞く視点を明確にした授業づくり
 ○伝え合う・聞き合うを支える「書く←→考える」活動の充実
 ○ノート指導とワークシートの工夫
〈手だて2〉言語環境づくり
 ○話し方・聞き方ルールの意識化
 ○時と場に応じた言葉遣いの指導
 ○学年、全校音読の取り組みと集会等での児童発表
〈手だて3〉読書習慣・学習習慣づくり
 ○読書貯金通帳の活用と図書室の環境整備
 ○「チャレンジタイム」の充実
 ○スピーチタイムの工夫
(栗東市立大宝西小学校)