感想を書く 「スイミー」(2年)
吉 永 幸 司

1 教科書と教材を読み解く
 教材「スイミー」(2年)を指導する前に、教科書を読み解くことから始めた。教科書のページにして13ページ(教材文10・手引き3)。単元名「お話を読んで、かんそうを書こう。スイミーはどんなときに、どんなことをするのでしょう。スイミーに言ってあげたいことを書きましょう(読む)」と初めに示している。教材文に続く「学習の手引き」では、感想の言葉を考える、感想をまとめると感想への導き、更に、読書。
 こうして、解きほぐすと、感想の言葉を使って、読み書く活動を展開する授業になる。

2 感想を書くと感想を持つ
 「感想を持つ」について、「感想の言葉」という例示がある。「たのしかった・どきどきした・すっきりした・うれしい気持ちになった・心にのこった」等。また、「どこを読んで、感想を持ちましたか。書き写してから感想をまとめる」という学習活動例を呼びかけている。学習活動の自在さが印象に残る。つまり、感想を持ち、感想の言葉を使って文章を書く力の育成を目標にする。

3 授業の授業展開
(1) 教材「スイミー」を読む。
 「広い海のどこかに、小さな魚のきょうだいたちが、たのしくくらしていた」から始まる文を読む。
 ・広いってどのくらいだろう。
 ・魚の家族なんだ。
 文を読んでいく過程で思い浮かぶことがある。しかし、それを言葉にすることはあまりしてこなかった子ども達である。ひたすら文を読むことに急ぐ。その気持ちを抑えて、「お話することをみつけましょう」と指示をする。様子や気持ち、思ったことや想像したことを話し出せば、その話をゆっくり聞く。
(2) 「スイミー」の展開を理解する。
 お話の初めは、どのようなことが起こったか。スイミーはどうしたか。したことや言ったことをもとに大体を確かめる。
 「はじめ・中・おわり」の言葉を使ってお話の大体が説明できるように読みを進める。
(3) 「学習の手引」を音読する。
 「学習の手引」に示している学習内容は(1)(2)で行っている。分からないところ、やって見たいところを聞く。特に、感想の言葉について。
(4) 他の本を読み、感想の言葉を使って紹介する。
 感想の言葉を使うこと、感想の言葉を使って文を書くことを目的にして自分で本を読む活動に時間をかける。
(京都女子大学)