巻頭言
三つ音読を生かした国語の学習
神 谷 知 幸

 本校は、平成元年から音読教育に取り組んでいます。子どもたちは物語の世界を表現する音読や群読が大好きです。その表現技能は高く、表情豊かに音読したり、無意識に言葉のリズムや語感、意味をとらえて音読したりすることができるのはその積み重ねの成果です。子どもたちのよさを伸ばし、音読表現と文章の理解を結びつけることにより、互いの考えを伝え合う言葉の力をさらに伸ばしたいと考えています。平成22年度より西尾市教育委員会から研究委嘱を受け、研究発表会を開催します。

○研究の概要
1 めざす子どもの姿
 「言葉をもとに正確に理解する子」
 「友達とかかわりながら言葉で伝え合う子」
 「言葉を通して生き生きと表現する子」

2 音読を生かした学習の再構築
 音読は、声に出して読むことで、考えをまとめ、深め、心情に迫ることができると、とらえています。そして、音読は正確な理解と生き生きとした表現を結ぶものであると考えました。つまり、「言葉をもとに正確に理解する力」「友達とかかわりながら言葉で伝え合う力」「言葉を通して生き生きと表現する力」を育てる手だてとしても音読は効果的です。
 本校では、言葉の力を確実に身につけさせる授業をするために、音読を三つに分け、どのようなねらいをもって、学習過程のどこで、どの種類の音読をするのか、音読の位置づけを明確にして単元を構成しています。
 @「読みを確かめる音読」…一つ一つの言葉のイメージを正確にとらえるための音読
 A「理解を助ける音読」…自分がどの言葉に着目し、どう読み取るのか、論理的に考えるための音読
 B「思いを反映する音読」…自分の深まったイメージに読み浸り、表現するための音読

 当日の研究発表会の日程は次の通りです。授業をご覧いただき、ご示唆をいただけますと幸いです。
1 研究主題 言葉を大切にし、考えを深め合う子の育成 −三つの音読を生かした国語の学習−
2 日時   平成24年10月22日(月)午後1時10分受付 1時30分公開授業
3 講演   「今、求められている国語教育」    講師 吉永幸司先生
 なお、研究発表会の案内や研究の概要につきましては、ホームページをご覧ください。
 http://www.nishio.ed.jp/fukuchinanbu-sho/index.htm
(愛知県西尾市立福地南部小学校長)