教室あれこれ 〜拠点校指導教員として〜
高 野 靖 人

 初任者研修の拠点校指導員として、初任者4名の学級(4つの小学校)に年間各30日間訪れて研修を実施している(内1校は、自分の所属する本務校)。4月の後半から家庭訪問・ゴールデンウィークと拠点校指導ができない期間があったため、5月上旬の現時点で、各学級それぞれ3回の拠点校指導を終えた状態である。
 本年度は、2年生2クラス、3年生・4年生が各1クラスである。4校の内2校は、初めて勤務する学校(兼務校)なので、それぞれの学校に慣れることも大切になる。拠点校指導日については、その学校の一員となるので、その学校の日課やルールを知り、それに従うことも必要となる。

 今、一番注意しているのはA校での給食である。女児の1人に多くの食物アレルギーがある子がおり、給食を食べていない。給食風に盛りつけられたお弁当を毎日食べている。加えて牛乳については、飲めないだけでなく液体が皮膚に触れるだけでも危険ということで、その学級では全員が牛乳パックの洗浄をせず、ストローをさしたまま返却している。洗面所でのトラブルを考えて、その階の3つの学級も同じ処理をしている。私自身、他校の3学級で給食を食べる時は、飲み終わった後、口を全開して洗うことを考えて、ストローを使わず、口を片側開けて牛乳を飲むことも多い。そのため、A校で給食を食べる時は、「ストロ−、ストロー」と心で唱えて、現在まで事なきを得ている。

 B校で初任者の授業(社会)を参観していた時のこと。終了まで10分程度という時に、1人の男児が突然立ち上がり、斜め後ろの男児の背後に行き、頭を締め付けた。教室の後ろで参観していた私がすぐ引き離し、やってきた担任にバトンタッチしたのだが、担任が事情を聞こうとしたあたりから、急に興奮状態になった。対象児童を蹴ろうと片足をあげたり、暴言を吐きながら、担任の手を振り払おうと暴れ出した。担任は引きずるように男児を連れ、オープンスペースへ出た。
 教室は、もちろん騒然としている。担任がすぐに戻れる状態ではないと判断したので、私が続きをする。前に出て静かにさせる。まず、学習(社会)のまとめをした。
 残りは5分程度。子どもが出題するクイズ(学習、一般)やなぞなぞをしようと呼びかけたが、誰も出題してくれない。仕方がないので、特別な読み方をする熟語クイズを私が出題。少し盛り上がったところで、チャイムが鳴り、授業を終えた。

 生きた子ども、生きた教室での研修がこれからも続いていく。
(大津市立仰木の里東小)