四行作文(3)「私のモノ物語」(3年)
吉 永 幸 司

6、マップで4行作文を鍛える
 モノへの着目は好奇心をかりたてる。目的は、4行作文の形を整えることにある。モノへの深入りは表現から離れるので、多面的に対象をみることへ軸足をおいた。
 その方法がマップである。マップは、多面的なものの見方を育てる。授業では、マップで考えるおもしろさを指導した。その面白さを、4行を意識して家庭で伝えることを繰り返した。
 ○今日はマップ作りの勉強をしました。
 ○ぼくが考えているモノはセロテープです。
 ○たくさん考えたのは、便利なことでする。
 ○マップで考えると便利なことが6つも見つかり満足です。
 セロテープの便利なことを考えるのにのりと比べてマップを広げた子は、このような話を家庭で伝えた。それでは、十分理解を得ることができないので、質問が出る。それに答えて、のりとセロテープの違いを比べたことなど、マップで考えたことを詳しく話すなど、家族に話すという活動は、必然的に4行作文で伝える機会が増える。その繰り返しが、話す力を育てていく。これは、学校という場ではできない活動である。

7、モノから得た感動を伝える
 公開授業では、家庭で育てててきた話す力を学級という場で更に高めることであった。そのために次のように授業を実践した。
@マップを作ることで広がった見方や考え方を紹介する。(グループで話し合う)
A紹介したことをもとに、更によい考えを見つける方法を考える。(グループの考えを作る)
B学習の成果を発表する。(グループの代表の発表)
C学習のまとめをする。(参観者を相手に話をする)

 学習活動も@からCのうち、Bまでをグループで行った。グループで話すことは、4行作文を繰り返す機会が多いからである。4行作文を繰り返すことを大事にして授業をおこなった。
C これから、自分が一番伝えたいことを発表して下さい。
C ぼくはカレンダーのことを考えました。誕生日から始まるカレンダーです。
というようなグループの話である。マップで一番の話したいことを話題にするので、4行作文の方法は子どもに話すことに自信を持たせることに働いた。
 グループで話す活動は、自由にさせず、丁寧に話すことを意識させた。授業の後半は、4行を意識してで学習経過や成果を織り込んでまとめにした。
(京都女子大学)