『続けてみよう 十二さいの言葉を残そう』から
海 東 貴 利

 光村6年に『続けてみよう 十二さいの言葉を残そう』という教材がある。「小学校生活最後の継続的な学習課題」について、1年間取り組もうと呼びかけている。卒業という節目に向けて、どんな言葉を残していきたいかを決め、1年間継続して取り組むという内容である。教科書では、次のような取り組みが紹介されている。
「言葉日記」として、言われてうれしかった言葉や言って気持ち良かった言葉、季節ごとに、その時期に見聞きした言葉…、本や新聞・テレビで見聞きした中で、気に入った言葉など日常的に言葉を書き溜めていく方法。
「読書日記」として、読んだ本を記録する方法。
「世界に1さつの詩集」として気に入った詩を集め、詩集を編む方法。
 様々な形で1年間に出会った言葉や作品を書き貯めていく方法が紹介されている。

 また、教科書では「季節の言葉(春・夏・秋・冬)」で、季節を感じる言葉や親しみやすい古文や俳句短歌が載せられている。
 そこで、学級では、一人ひとりが毎月教科書などを参考にしながら、季節を感じる言葉を集め、俳句や短歌を作っていくことにした。俳句を作るにあたっては、その季節を感じる言葉や気に入った季語を書き貯めるワークシートを用意し、ファイリングしていくようにした。学級文庫には歳時記を数冊おき、普段の読書の時間にも手に取って新しい言葉と出会えるようにしている。毎月句会も開くことにした。句会では、気に入った作品を選ぶだけでなく、友達が考えた作品の中の言葉に注目し、いいなと感じた言葉も書き残していくことにした。
 今後は、作品の解説や感想なども書き添え、一人ひとりの作品集を作っていく予定である。1年間書き貯めたものが、12歳の大切な言葉の学習の記録になってほしいと思う。

【4月の学級句会高点句と選んだ感想】
風が吹く草木ゆらゆら花の舞
 花の舞という言葉が気に入りました。花びらがおどっている様子が想像できる句だなと思いました。
遠くには桃色染まる春の山
 桃色染まるというリズムがいいと思います。春の山はやっぱり桃色っていう感じです。
たんぽぽの綿毛は春に旅に出る
 旅に出るという擬人法がすごい。こういう風に考えられるなんてすごいしまねしたい。
春の声耳をすませば鳥が鳴く
 いいなと感じた言葉は春の声です。鳥の声よりも春の声のほうがあたたかく感じる。
(高島市立マキノ南小)