四行作文(2)「私のモノ物語」(3年)
吉 永 幸 司

4、話す機会を増やす
 話すことを指導の中心においたのに、活動量が満たされない。これを乗り越える方法として、聞き手を家庭に求めた。話す力を育てることを目的に宿題を次のように設定をした。
(1)宿題プリントを作成する。
 宿題プリントには授業の概要を示し、話題を明確にした。物語の感想・お話のおもしろさを話し合ったことなどを伝えた。また、目を見て話すことや4文で話すことを指示した。
 また、話をした概要を書いてもらい宿題を家で行ったかどうかを確認するようにした。 (2)家庭で話ができる力を育てる。
 宿題に家人を相手に話をさせるには、聞き手が納得できる話をさせる必要があると考えた。そのために授業では、話したくなるような話題を作ることに力を注いだ。
○授業の目標を明確にした。
今日の学習でどのような力が育ったのかを自覚させるように目標と結果をはっきりとさせた。
 物語のおもしろいところを見つけるという目標では、面白いところが見つかったということを言葉で表現させた。
○四行作文を繰り返す
 家で話ができるように、話題を選ばせ練習をさせた。何を話すか、自分は何を話したか、その結果、どのような力が育ったのかということをまとめさせ、発表させた。
 話す機会は授業では限界がある。しかし、家で話すという場を設けることで、授業をまとめて話す力が育った。学習内容を理解していないと伝えることができないことを自覚することを期待した。

5、モノ物語への着目
 四行で話をするためには、面白い話題作りが必要である。三年生という子ども達の好奇心を高め、話題が広がるモノに着目させた。
 モノに気づかせるために、はさみ、鉛筆、セロテープ、カッターナイフ、コンパスなど身近なモノを提示した。
 子どもたちが興味を示したのは、ゼムピンであった。働きとして、紙を挟むバネのようになっているしかし、延ばすと数センチの針金である。延ばしたり曲げたりしながら、モノの工夫を探ることのおもしろさに気づいていた。
 モノ物語の話題として、@便利なところ、A改善できそうなものB特徴等をもとに、モノ探しを宿題にした。宿題は家族の人と一緒にすることを約束にした。この意図は、学習内容を知らない人に、適切に説明をするというを場を設けたのである。指導の意図は、説明する力を育てたいということである。
(京都女子大学)