作文の交流を通して
北 島 雅 晴

 2学期から「休日のエッセイ」という取り組みを行っている。土日の間に家庭でエッセイを書いて持ち寄って読み合う。
・大切にしたいことば
・〜の魅力は
・もう少しだったのに
といったように、毎週テーマを決めて書く。それを綴じたものである。

 休日のエッセイは、いつでも読むことができる状態にはなっているが、読む量にずいぶんと個人差がある。また、友達の作文を読むことで、お互いに、文章を書くときのヒントを得られるのではないかと考え、交流の機会を増やそうと試みた。
(1) 休日のエッセイを持ち帰り、家庭で読む。
(2) 3作品を選び、金のシールを貼る。
(3) そのうち1作品を選び、コメントを書く。
といった手順で毎週1回ずつ行う。

C ぼくは、AさんとBさんとCさんのエッセイを選びました。Aさんのエッセイは、動物村の運動会で、最後にたぬきが優勝するという終わり方がうまく書けていました。
C 私は、Dさんのエッセイにコメントを書きました。テーマは、「忘れられない思い出」で、小さい頃のDさんと今のDさんとを比べて書いてあったのがいいアイデアだなあと思いました。
C 私は、「こんなにすごいものが」というテーマのエッセイを読みました。私がコメントを書いたのはEさんの作品です。Eさんのエッセイは、みんながよく見ているようなものだけど、あまり気付いていないことを選んで書いているのがよかったです。

 エッセイを持ち帰った次の日には、必ずこのような交流の時間を持つようにしている。他のエッセイ集に目をやって、自分の作品に金シールが貼られていないかを確認する子も多くいる。
「○○さんの作品だからきっといい文章なんだろうとか、仲のよい友達だから金シールを貼ろうといったことを考えないで、自分の目で選びましょう。」
と声をかけたが、全くその心配もなく、余分な働きかけだったと思っている。
 作文は書きっぱなしでなく、読んでくれる相手がいることで、意欲が高まる。相手が友達の場合、お互いに、考え方や表現方法から学ぶことも多い。作文を書くことで、考える力も高まるのだが、書くことによって伝え合う力も高まるのではないかと思う実践となった。
(草津市立志津小)