本棚  読解力が飛躍的に向上するブッククラブの実践入門
有元秀文 著 BK1
明治図書 2010.8 1900円
読解力が飛躍的に向上するブッククラブの実践入門

 アメリカで行われているブッククラブの指導法を日本の授業でも取り入れられるように解説されている入門書である。

 ブッククラブの目的は「数多くのよい本を自分で選んで読んで、深く理解し、本に書いてあることを評価・批判して課題を発見し、書いてあることを根拠にして創造的に自分の意見を持ち、話しあって課題を解決し、自分の人生に役立てられる子どもを育てる」ことである。

 PISA型読解力で求められる批判的な読みや創造的な読みの力を付けるために適した方法で、フィンランドの国語教科書との共通点も多いという。

 気持ちを問い、感想の交流が主である日本の国語授業とは異なり、明確な質問が中心になる。14の問いは4つに分類される。@「バックグランド・ナレッジ」の問い(基礎知識・体験)A「正確な理解」の問い(キーワード・キーセンテンス・文章構造・図表の理解)B「深い理解」の問い(解釈・予測・要約・主題)C「発信」の問い(クリティカルリーディング・クリエイティブリーディング・パーソナルリーディング・視点を変える)。

 他教科でも役立つ読む力、書く力、ディスカッションして課題を解決する力が育つという。(常諾真教)