ことばを広げる学習
北 島 雅 晴

 月に数回、15分程度の時間を使って、ことばを広げる学習を行っている。今回のテーマは、「見る」を表すことば。
 「のぞく」「ながめる」「にらむ」といったことばの他に、「見渡す」「見回る」「見つめる」といったように「見る」を使ったことばも見つけることができた。その中には、「見定める」「見誤る」といったように、見る行為を表すのではなく、判断する意味を表す「見る」もあることを確認した。(ここまでで15分)

 ことばを見つけるということに興味を示す子が多かったので、「言う」を表すことばにはどんなものがあるのか、家庭で調べてくることにした。
 ・さけぶ   ・ささやく  ・つぶやく  ・どなる  ・わめく   ・うそぶく
 ・伝える   ・告白する  ・問う    ・答える  ・指示する  ・発言する
 ・言い合う  ・言い逃れる ・言い含める ・言い訳する
など、実に合計83語も見つけ出すことができた。(ここまでが家庭学習)

C こんなにたくさん見つかるとは思わなかった。
C 「言う」を表すことばは「見る」より多いのが分かった。
といった感想が寄せられた。
 そこで、これらのことばの中から1語を選んで、短文づくりをすることにした。約束事は3つ。
 (1) 100字程度で書くこと。
 (2) 自分の生活と関わりのあることで書くこと。
 (3) 選んだことばを文中で使わないこと。

【子どもの作品】
  わめく
 わたしの妹は、こうと思ったら、ぜったいに人の話を聞きません。ほしい物があったら、その場からはなれないで、「これがほしい。」と言い続けます。最後には、お母さんが負けてしまいます。

  発表する
 みんなの前に出るとあがってしまい、考えていることをうまく話せないことが多いです。だから、よほど自信ある時でないと、手を挙げることはありません。どうしたら緊張しないですむのでしょうか。
   (ここまでで15分。)

 日常生活の中で常にことばを使っているにも関わらず、ことばについて考えようとする機会がほとんどないのが現状である。適切なことばを使おうとするきっかけをつくるのは、国語科の大切な役割と考え、ことばに関心をもつ学習を続けていきたい。
(草津市立志津小)