連詩に挑戦しよう@ なりきって詩を書く
蜂 屋 正 雄

 自分の思いを自分の言葉で書けるようにしたいという目標のもと、詩作りの実践を試みた。(東書四年「連詩にちょうせんしよう」)

 連詩は、一連目に書き始めた人の思いを受けて、そこから連想したことを二連目に書き加えていく。子どもたちにはリレー作文のようなものといって紹介した。
 子どもにとって「詩」をつくるという学習は少し敷居が高いと感じるので、いくつかの段階を経て「連詩」にたどり着くように計画を立てた。本稿では、事前学習での詩づくりの様子を紹介する。

○事前学習として
 なりきって「詩」を書く。まず「おれはかまきり」(くどうなおこ)を読んだ。教師が大人のかまきりになったり、子どものかまきりになったり、女の子のかまきりになったり、いろんなかまきりになって範読をした。その後、何人かの子どもにいろいろな読み方をさせ、詩を読むことを楽しんだ。
 その後、自分たちでも「詩」を書いてみることを伝える。子どもたちからは「そんな、詩なんて書いたことないから、書けない」というような声も出たが、「私は黒板」という「おれはかまきり」をまねた教師自作の詩を示すと、面白そうに読みながら「書けるかも」という表情になっていった。

 子どもたちは「わたしは黒板」「ぼくは消しゴム」「時計」など、そのものになり切って詩を書いた。パターンが分かりやすく、他の子もまねできそうな、また、まねをして書いてほしい作品を学級通信などに載せ、紹介した。また、毎週出している作文の宿題も詩を書いてきてもよいことにすると、10人程度の子が楽しんで書いてくるようになった。
 いくつか書いていくうちに、「忙しくてたまらない」「わたしのここすごいでしょ」など、その子らしい言葉がぽつぽつと見られるようになってくる。「何かになりきって詩を書く」ということを通して「自分のこと」を書くようになってきた。

 このような事前学習をを経て、連詩作りに臨んだ。
とけい

ぼくはとけい
毎日少しずつ動いているぜ!
毎日、みんなにじろじろ見られて
てれるぜ

毎日 はりを動かすのに
ねるひまもなにもするひまもないから
もうくたくただぜ!
休む時間がほしいぜ!
(草津市立笠縫東小)