手紙の魅力
北 島 雅 晴

◆僕は、部活に勉強に毎日頑張っています。困ったことは、親に怒られてしまい、なんと髪の毛を丸ぼうずにさせられてしまいました。(たかし)
◆私は先日スイカわりをして、みごとにわれました。目かくしをしたときはびっくりしたけど、われたときはうれしかったです。スイカわりをしたのが初めてだったのでいっそううれしかったです。(よしこ)

 夏休みには、先生に暑中(残暑)見舞いを出すことを課題にしている。たかしは昨年度担任した6年生、よしこは今年度担任している6年生のはがきの一部である。昨年度の6年生には、卒業式の日にはがきを手渡した。中学校生活の様子をこのはがきで伝えてほしいと話した。卒業生のはがきが徐々に届きつつある。

 たかしのお母さんは、子どもの思いをしっかりと受け止めてくださるが、きびしさももっておられた。丸ぼうずになったたかしのしぶい顔を思い出すと、思わず笑いがこみ上げてくる。

 よしこのはがきを読むと、平凡な内容だなと思った。でもよく考えたら私自身もスイカわりは一度もしたことがないなあと思い直してみると、いい話題を選んだのかもしれないとも考えた。

 私事だが、この4月から、1日に1枚はがきを書くことにしている。卒業生、保護者、友人など。今日は書く相手がいないという時は、読者のアンケートを出版社に送ったりしている(読んだ本の感想を書いて送るもの)。あまり連絡をとることがない相手に対して、手紙・はがきを書いている間だけでもつながりが持てているようで楽しいものである。返事がくればうれしいのだが、それは期待しないようにしている。むしろ、書くことを楽しもうと思う。

 最近は、大人も子どもも手紙やはがきを書くことが少なくなった。また、パソコンを使えば、すばらしくきれいな作品が仕上がる。職員室で暑中見舞いをパソコンで作っている先生を多く見かけるが、だれに対しても同じようなはがきが送られるのが寂しい気がする。古い考え方かもしれないが、相手に応じた内容で、すべて手書きにしたほうがもらう相手はうれしいのではないかと思う。子どもに書く返事も縦書き10行の手書き、と決めている。

 2学期には、6年生の書く学習で手紙やはがきを書くことを取り上げてみたい。自分の近況を相手に応じて、書いて伝える楽しさを感じ取ってほしいと思う。今、どのような学習にしようか検討中である。
(草津市立志津小)